【三和新聞】115号

2010-07-01
第115号 やっと小学生レベル!
writer:杉浦 秀幸

私には2人の小学生の娘がいます。ゆとり教育の影響なのでしょうか、今の小学生は毎日宿題があり、漢字プリント、算数プリント、本読みなど娘たちは結構苦労しています。娘たちは塾には通っていませんので学校の宿題だけなのですが、通っている子供たちは塾でも宿題があるらしく大変そうです。私たちが小学生だった頃は夏休みと冬休みぐらいは宿題がありましたが毎日こんなにはなかったような気がします。勉強していた記憶よりも暗くなるまで遊んでいた記憶のほうが残っています。「♪1年生になったら、1年生になったら友達100人できるかな♪」なんて歌がありますが、こんなに宿題ばっかりあったら遊べないし、友達100人は無理。もう過去の歌になってしまったのでしょうか・・・?

7月【第139号】 やっと小学生レベル!

私は“塾よりも外でおもいっきり遊ぶほうが大事だ”という考えなので勉強がわからない時は私たちが教えています。普段は嫁さんが教えているのですが、休みの日には私にまわってきます。まだ小学生レベルなので「どれどれお父さんが教えてやろう!」と言えるのですが・・・中学、高校ともなると確実に教えられなくなります。その時はやっぱり塾に通わせる!?いやいや私も勉強し直して一緒にやらなければと思っています。子供の勉強を見ていると意外におもしろく、特に今は国語の教科書にハマっています。小学生の頃から国語が苦手で、本読みや作文が大嫌いでした。本読みに関してはマンガでさえほとんど読んだことがありませんでした。今でこそ新聞は読みますが、マンガや小説など購入してまで読みたいとは思わず、まだまだ苦手です。字がいっぱい書いてあったり読めない漢字があったり。その点国語の教科書は絵もあり、分かり易く私にとっては丁度いい国語の勉強ができます。まあ苦手だった国語の勉強のやり直しと思い読んでいます。

最近では『イースター島にはなぜ森林がないのか』という作品を読みました。内容は自然破壊、環境についてなのですが、もし私が小学6年生のときにこの作品を読んでいたとしても、意味が解らずにただ読んでいるだけで「イースター島といえばモアイ像があり、森林がなくなってしまった。」と、このくらいの印象が残って終わってしまうような難しい内容でした。実際に娘に聞いたところ「意味ワカラン!」と言っていました。また教科書なので道徳的なものもあります。その中に『ポレポレ』という題名の作品がありました。「なに?ポレポレ?」思わず読みたくなるような題名でした。内容はアフリカのケニヤから転校してきたピーターという小学生の話なのですが、このピーター君の言葉は心に響くものがあり、なかなか私も考えさせられました。『ポレポレ』とはアフリカのスワヒリ語で【ゆっくり】とか【のんびり】という意味だそうです。いま世の中はスピード社会、なんでも速くやることが一番大事というような風潮だと思われます。もちろんスピードは大事だと思いますがこれだけではダメではないでしょうか?この作品の中に「誰でも苦手はある。責めたら傷つく。『ポレポレ』が大切。急ぐと他人のコト考えられなくなります。」とありました。だからといって、のんびりとゆっくりやればいいとか苦手なものはやらなくてもよいという意味ではなく「みんなが同じように出来るのではないので、まずは相手の行動や気持ちを尊重しましょう。」という意味だと感じました。思わず「ピーター君、お前はいいやつだ!大人だなぁ~♪」と感心してしまいました。この『ポレポレ』という言葉ひとつでこんなにも感動できるとは思いもしませんでした。今では私の家族もこの『ポレポレ』が気に入ってよく使っています。私がピーター君のように小学生時代にこの言葉の意味がわかっていればもっと違う人生があったかも?(ま!今も楽しいですけどね♪)

今、人生40年生になった私は、小学生の頃には全然解らなかったこの教科書の意味がよく解ります。けれど、いま私がしていることの中には内容や考え方など理解できないこともあります。しかし、この先何年、何十年か経てばきっと解る時が来ると信じたいです。小学生の頃は「勉強なんてやらなくてもいいや!」と思っていましたが、今は「やらなくてはいけない。」と強く感じています。勉強といっても、学問、趣味、仕事、人生など学ぶものは色々あると思います。今やっと小学生レベルまできた私は国語の教科書を通して娘たちと共に多くのことを学んでいます。

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