【三和新聞】114号

2010-06-08
第114号 頑張れ!吉牛♪
writer: 新妻 吾郎

 最近、お気に入りの店がある。まぁ~昔から御世話に成ってはいるのだが、それは~そう!吉野屋さんである。呑んだ後の〆のラーメン感覚で私は、とある場所の吉野屋の店舗にチョイチョイ顔を出すのである。言わば『行きつけの店』である。カロリーを気にする年頃?なので~牛丼をガッツリとは食べず、牛皿を頼む。そして生卵を頼み、すき焼き風な『つまみ』として、後は『お新香』を添え~ビールを頂く。これが最高♪まさに贅沢?大人食いである。たまに焼き魚単品とか、豚生姜焼きのみとか、大きい声では言えないが~我が儘オーダーも聞いてくれる・・・通い詰めた成果か?腰を据えて飲み倒すので、隣のお客さんが5~6回は変わる。回転効率が命なお店だけに・・・甚だ迷惑な客である。

6月【第138号】 頑張れ!吉牛♪

『ここは吉野屋♪味の吉野屋、牛丼一筋!80年~♪・・・やったねパパ!明日はホームランだ♪』・・・知る人ぞ知る~懐かしいCMである。昔は『牛丼一筋!80円~♪』と聞き間違え「え?そんな安いの?」と思った時期もあったが~『80年』が正解。そして、今年~創業111年目を数える吉野屋・・・個人的な出会いは~中2ぐらいか?高校受験のために通った塾のビルの1階に『吉牛』があった。なので、夜食は吉牛。(並)に玉子をかけて食べるのが最高の贅沢だった。高校時代にはLA(ロサンジェルス)に渡った時期がありホームステイ先の近くにも吉牛があって、ステイ先のアメリカ人に吉牛の美味さを~まさに他人のフンドシで相撲をとっているにも拘わらず・・・力説したような・・・気がする?向こうでは(並)の事を『レギュラービーフボウル』といい、まぁレギュラーと言っても凄まじいボリュームで、さらにコーラをガブ飲みしながらスプーンで食べる牛丼の違和感がタマラナかった♪因みに『お新香』は『ジャパニーズピクルス』だったかな?ただ、日本から世界に羽ばたいたファストフードをアメリカ人に伝えるのは~何か誇らしく感じた記憶が今も残っている。

2003年ワシントン州にて狂牛病~BSE(牛海綿状脳症)感染牛が確認され米国からの輸入が停止し、牛丼販売の休止を余儀なくされた。吉牛は勿論~食料品業界全体が大打撃である。牛肉を扱うお店の客足は途絶え『モウ許して!』と書かれた焼肉屋の看板の洒落心に感銘しつつも苦笑い。他の牛丼屋がオーストラリア産牛肉など代替え品で牛丼販売を再開した時も、吉牛は「米国産牛肉でなければ吉野屋の牛丼の味が出せない!」とし、最後まで【味(品質)】にこだわった。これは1980年に一度、吉牛は倒産している。会社更生法を適用し、セゾングループ傘下で再建したが、倒産の原因が店舗の急増に伴い、『つゆ』のコストダウンのために粉末の『つゆ』にしたり、フリーズドライの乾燥牛肉の利用に踏み切ったり~要は【品質】をおろそかにしたばかり~味の悪化による客離れを進行。あれよあれよと経営悪化で120億の負債を抱え込んだという【怖さ】を経験していたからである。『豚丼』や『カレー』などでしのぎを削るも~メインである牛丼の販売再開に至るには2年7ヶ月という歳月を経た・・・。

「最後尾はこちらでーす!」プラカードを持って吉牛の社員さんが叫んでいる。待ちに待った【牛丼販売再開日】である。私の『行きつけ』の店舗は100m以上の大行列ができた。勿論!私は並ばない。並ぶのは大嫌いだからである。だが、プラカードを持って叫んでいる社員。店内で「本当にお待たせしました!」と牛丼をお客さんに運んでいる社員。みんな目を真っ赤にして泣いていた・・・。それを見た私は~もらい泣き。3日後~吉牛を食べに行った。そこでも感動の場面に遭遇。それは私の向かいのカウンターで親子3人が吉牛を食べている。4歳ぐらいの女の子がしきりに「お父さん!吉牛って美味しいんだね!お父さんの言ってた通り~すごい美味しいんだね!」と目を輝かせて言っている。「な!美味しいだろ!お父さんが言ってた通り~吉牛って美味しいだろ!」・・・考えるに~牛丼販売休止の頃、あの子はまだ1歳ぐらいだっただろうか・・・。ただ、そんな熱い2人を横目に奥さんが少し冷ややかだったような気が・・・。

さて今年、(株)吉野屋HDは~M屋やS屋やR亭にN卯などの猛追撃を受け、連結最終赤字が89億円となった。狂牛病の時の業績よりもピンチである。今後、立ちはだかる問題は~口蹄疫か?ギリシャ問題か?←違うやろ。しかし狂牛病ならぬ~狂人病(世界各国~牛より人の方が狂ってるんじゃないの?という意味。)が蔓延る昨今!何はともあれ~頑張れ!吉牛♪『早い!うまい!安い!=納期・品質・コスト』は商売の原点!常日頃~研鑽を積むことを胸に刻みつつ・・・さて、今日は皆さん!「吉牛!特盛り!つゆだく!」でキマリ♪♪

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