第287号 NO LIMIT!
第287号 NO LIMIT! |
writer:太 田 敏 浩
12月は陰暦で【師も走る】と書いて『師走(しわす)』と云われるように本格的なマラソンシーズンの到来になります。(師走の由来には諸説あります)マラソン大会に参加する目的は
【1. ストイックにタイムを追い求める】
【2. とことんエイドステーションを楽しむ】
【3. コースや景色を楽しむ】
といったところが周辺でよく聞く話です。私のマラソン大会に参加する目的は前述の3項で比較すると3>1>2の順になります。
![](https://www.sanwa-kiko.co.jp/wp-content/uploads/2024/11/3c0bcc2e0868b54cfe68ab6a53cffc93.jpg)
秋になってコース重視で10月に横浜マラソン、11月に千葉アクアラインマラソンに参加しました。横浜マラソンはランドマークタワーをスタートして『みなとみらい』→『山下公園』→『首都高速』→『赤レンガ倉庫』を結んだお洒落なコースでした。首都高速の料金所をランニングで通過できるのはマラソン大会ならではの醍醐味でした。折り返し地点から見えたランドマークタワーの小ささに絶望した記憶も今ではいい思い出です。千葉アクアラインマラソンは2年に一度開催される大会で木更津からアクアラインを走って『海ほたる』で折り返して木更津の街中を走るコースです。アクアラインからはランニングしながら東京湾が見渡せて、これまたマラソン大会ならではの体験が出来ました。練習不足で海ほたるを折り返してからは景色を楽しむ余裕が無くなったことが残念でした。いずれの大会も夏の練習不足でタイムはベストに遠く及ばない結果だったことを付け加えておきます(泣)
そんなマラソンへの取り組みの中で今年の重大ニュースは【ウルトラマラソン】(42.195kmの距離を超えるマラソン)に参加したことです。お客様のランナー仲間に誘われて『富士五湖ウルトラマラソン』と『飛騨高山ウルトラマラソン』に参加してきました。ウルトラといえば聞こえがいいですが参加したのはビギナーコースで富士五湖ウルトラマラソンは五湖ではなく実際は三湖で62キロ、飛騨高山ウルトラマラソンは71キロです。フルマラソンが余裕で走れるわけでもないのに何故、参加したのか。それは長くても6時間程度で終わってしまうフルマラソンに物足らなさを覚えていたからです。ウルトラマラソンならより長時間楽しめる(苦しめる←ドⅯか!)と前々から興味がありましたが雲の上の大会だと思っていました。しかし実際に参加して完走した方に体験談を聞けたことで恐怖心を好奇心が超えてしまいました。
さてウルトラマラソンですが何とか楽しめるのは30キロまでです。そこから半分以上の距離を禅問答のような自分との闘いが続きます。歩くのも辛い中、それでも前に進むのは周りにゴールを目指す同志がいることです。周りのランナーの頑張りを励みに気合を入れ直して走り出します。すると自分の限界を超えたと思っていても、まだまだ走れる自分に驚きました。歩きと走りを繰り返しながら段々と歩く比率が上がっていきますが、足が痛くてたまらなくても我慢して走ると乳酸が散って楽に走れる時間が訪れます。今までの限界が限界ではなくなった瞬間です。ウルトラマラソンに参加してよかったことは自分の限界は、まだ未知数だということが実感出来たことです。そして何よりランニングフォームを崩さない体つくりが大事だということです。
正しいフォームは正しい姿勢からということで、まずはデスクワークで陥りがちな『反り腰』と『猫背』の矯正です。反り腰を直せば普段の歩きが楽になるし、猫背を直せば呼吸が楽になって酸素がたくさん摂取できるので元気が出ます。皆さんも騙されたと思ってやってみてください。そして最大の敵は自分の脳です。「痛いのは気のせい!」コレは森脇健司さんのセリフですが、脳は自分を守るために【限界スイッチ】を押しがちです。それを気のせいにして振り払う姿勢を身につけたいものです。脳トレって大事!
ウルトラマラソンに参加して【走ること】と【機械を作ること】は似ているところがあるなと感じています。与えられたパーツをいかに無駄なく動かすかは自分の体も機械の装置も同じです。上手くいかない場合は改善して作り上げていかなければなりません。その道程が辛くて苦しい程に上手くいった時の感激はひとしおです。これからもエンジニアの端くれとして【走ること】も【機械のこと】もパフォーマンスの限界を探求していきたいです。そんなわけで今シーズンは飛騨高山ウルトラマラソンの100キロにエントリーしました。来年は胸を張ってウルトラランナーだと言えるように限界の高みを目指したいと思います!!