第260号 父へ・・・・・

2022-08-31
第260号 父へ・・・・・

writer:岩 本 祐 亮

 8月10日に開催された夏祭り、楽しかったですねぇ♪コロナの対策に暑さ対策もバッチリおこなって頂き!共済会メンバーは勿論の事、準備や片付けに協力して頂いた皆さん本当にお疲れ様でした。有難う御座いました!おかげ様で素晴らしい時間を過ごす事が出来ました。「夏祭り!最高~♪♪」…それにしても暑かったですね。もう9月になるというのにこの暑さ、勘弁してほしいものです。さて2022年も早いもので3分の2が過ぎました。今年中に私のメイン記事はもうありませんので、少し気が早いですが、今年を振り返ってみようと思います。(…少しどころか、だいぶ気が早い?)

 

 ショッキングな出来事といえばロシア軍によるウクライナへの侵攻ではないでしょうか。ニュースで映像が流れると目を覆いたくなる様な光景、あまりにも非現実的な光景に心を痛めます。また新型コロナウイルスは名前を変え、型を変え相変わらず私達の生活に多大な影響を与え続けています。しかし嫌な事ばかりではありません。北京冬季オリンピックでは沢山の日本人メダリストが誕生し、勇気と感動を与えてくれました。私の推しメン羽生結弦さんは惜しくもメダルに届きませんでしたが…(←推しメン情報とか要らない?)

 さて、私にとって今年の重大な出来事といえば、何と言っても父が他界した事です。とても辛く、悲しい出来事でした。私の父は『一男』と書いて『カズオ』と読みます。名前を意識したのか、亡くなったのは1月1日…真面目かっ!と突っ込みたいところですが、精一杯頑張った証だと思います。私はかなりの【お父さんっ子】でした。というか母がとても厳しい人なので逃げるように自然とそうなっていったのかもしれません。父はとても優しく子煩悩で、私が小さい頃の休日といえば必ず一緒に出掛けたり一緒に遊んでくれたりしました。今思い返してみても父に怒られた記憶が全く無いくらいです。その分、母にはタップリ怒られて育ってきたのは、言うまでもないですが…。父は自営で建築関係の電気工事士をしていました。とても忙しく(私同様に!)仕事熱心だった父の帰りは、毎日21時頃と遅く家族の為に一生懸命に働いてくれていました。

 そんな父に病魔が襲ったのは約18年前、私が社会人に成り立ての頃でした。その病魔は『肺がん』しかもかなり進行しており他部位に転移している可能性がある事や再発の可能性、再発した際の生存率など聞きたくない情報や受け入れがたい事実が私達家族を襲いました。そんな状況なので即手術をし、肺の4分の1と腫瘍が摘出されました。手術後は定期的に病院へ通い転移している所が無いか、再発していないかなど検査通院の日々が続きました。術後5年以内に再発等が無ければ一応完治したという事になるそうで、再発する場合のほとんどが5年以内だそうです。幸いにも5年間での転移・再発は見つからず完治という事になりましたが、この間の5年間は父にとってとても恐怖だったかと思います。

 その後しばらくは量をセーブしながらも仕事を続けてきた父に再度病魔が襲ったのは約6年前の事。摘出した肺の影響からか慢性閉塞性肺疾患(“COPD”というらしい)になり咳や痰がひどく、ちょっとした事で息切れを起こす様になりました。当然、仕事など出来るわけもなく自宅で過ごす様になりました。近くのコンビニに行くのもやっとの事で少し歩いては休憩し、また歩いては休憩。まだ60代だというのにとても弱々しく見えました。次第に歩く事も困難になり自宅ではほぼ寝たきりで、食事の量も激減し体重はみるみる落ちて40キロ前後へ。体は弱っていっても頭はしっかりしているのが余計にもどかしく辛かったのか、ネガティブな発言が多くなっていきました。小さい頃【お父さんっ子】だった私は父が弱っていく姿を受け入れられず…弱音ばかり吐く父とどんな会話をすればいいのか悩み、近くに住んでいるのになかなか会いに行かず会ってもほんの少しだけ話をして帰る。ここ数年はそんな付き合い方に変化していきました。

 そして2022年1月1日、父は亡くなりました。前日までは話も出来ていたのに、あまりに突然でした。いろんな思い出がよみがえってきて、もっとたくさん話をすれば良かった、もっと一緒にいる時間を作れば良かったと後悔ばかりが残りました。私は溢れる思いを、本当は直接言いたかった事を手紙に書き棺に納める事にしました。直接言えなかったけどせめて気持ちが届く様に「父へ、、、、、」と。

 やはり自分の気持ちを伝えるには【言葉】が一番です。面と向かって相手の顔をしっかりと見て感謝の気持ちを伝えたり、時には怒ったりする事もあるかと思います。父の時みたく後悔しないように私はこれから先、自分の【思い】をしっかりと伝えられる様に生きていきます。 

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