第226号 ONE TEAM

2019-10-31
第226号 ONE TEAM

writer: 太 田 敏 浩

 先ず初めに、この度の台風で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧をお祈り申し上げます。 私の住む渥美半島は台風の直撃を子供の頃から何度も経験していて、基幹産業である農業に大きな被害があることもしばしばです。子供の頃は【台風=学校が休みになる】というイベントでしたが、今思えば何と浅はかだったことか・・・。今では台風が発生する度に被害が無いようにと祈るばかりです。母親に子供の頃に経験した伊勢湾台風の話を聞いた事があります。起きている間は風で窓が飛ばないように子供たちで押さえていましたが、就寝中に暴風が家を突き抜け、隣の家は屋根が飛んだと聞いています・・・。

 これからは伊勢湾台風級の台風が増えてきそうで心配です。温暖化の影響で海水温が上がり、今までより日本近海で台風が発生し、発達しながら日本に上陸するパターンが増えて来ると聞きます。昨年の関西に上陸し暴風による被害をもたらした台風や今年の関東に上陸した2つの台風による暴風や大雨による被害の甚大さは、これまでの台風の経験値を全てクリアさせられました。日本列島と台風は古くは鎌倉時代に元寇(げんこう)から日本を守ったと言われる程に切っても切れない関係です。また、台風のもたらす雨も生活用水として無くてはならない水源だし、台風が秋を連れて来るように、台風は日本の四季に織り込まれています。台風は地震と違い来ることの分かる自然災害ですので、これまで以上の被害を想定して準備することが大切だと改めて思い知らされました。

 さて、ラグビーのワールドカップが盛り上がっています。試合以外にも日本の子供達がニュージーランドの選手に披露した『ハカ』や、選手達の台風被害のボランティア活動などの心温まるシーンも数々。ラグビーの試合はスポーツニュースのダイジェストでしか観た事がありませんでしたが、大量発生した『ニワカ』の一員としてラグビーを熱く観戦しています。4年前の南アフリカに勝った試合のトライシーンの「いけー!いけー!トラーイ!!」のアナウンサーが絶叫する映像を観たことがあるでしょうか?あのシーンがテレビに流れる度に涙腺が緩むのは何故なのかと思っていましたが、ラグビーの熱さがすごく伝わるシーンだったのだとようやく分かりました。日本がトライを決める度に湧き上がる感動や相手の攻撃を守り切った時の安堵感はドラゴンズの試合を観る時と同じくらいの感情の起伏に襲われます。呼吸することを忘れそうな80分が終わると身も心もグッタリです。日本は予選全勝のベスト8進出。流石に本気の南アフリカには歯が立ちませんでしたが、世界4位を本気にさせたのは日本ラグビーが認められた証拠ではないかとニワカなりに分析してみました。

 ラグビーの精神として【ONE FOR ALL ,ALL FOR ONE】と【ノーサイド】は有名です。ドラマのスクールウォーズとユーミンの曲で知りました。試合開始からノーサイドまでを観戦して、あの肉弾戦には2つの精神無くしてあり得ないと実感しました。自己犠牲と相手へのリスペクトが無くてはタックル出来ないし相手と喧嘩になりそうです。それぞれのポジションの選手が身体を張って役割を果たし、ボールを前進させていく姿に、自分の仕事の姿の理想を重ね合わせて熱狂するのでは無いかと、これまたニワカのサラリーマンの分析です。 試合後の選手達の【ONE TEAM】の言葉が心に残りました。裏方に徹した選手達のサポート無くして今回の結果は無かったと選手達は言います。日本は欧米に倣(なら)って個の力をクローズアップする風潮が高まっていますが、日本人は元々【ONE TEAM】で事に当たる事に長けていると思います。仕事に於いてもそれぞれがプロ意識も持ってパスを繋げ、フォローし合いながらトライという【お客様の満足】を決め続けたいものです。また、温暖化によるスーパー台風などの異常気象に対しても世界がONE TEAMで取り組んでいけば、乗り越えていけるはずです。 ラグビーから教えられたことが沢山ありました!ありがとう!ブレイブ・ブロッサムズ(勇敢な桜戦士達)!                         

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