【三和新聞】53号

2005-04-01
第53号 朝がまた来る 

私は結構~鼻が利く。ハッキリ言って~犬並みである。犬並みと言ったら~世間のお犬様たちに怒られそうだが~ウチの将軍(犬)よりは利く。そんな嗅覚自慢の私が最近思う事・・・それはふと、先代が横に居るような気がするのである。つまりは~先代の匂いがするのである。春だからかしら?←違うと思う。で、ある日~謎が解けた。それは何てこたぁ~ない!自分の匂いだったのである。つまりはオヤジ(親父)臭の加齢臭・・・まぁ~ダジャレたつもりもないが、嫌になる程そっくりな匂い。枕の香りなんぞは【そのもの】である。体臭って似てくるモンなのかなぁ~と思いつつ、人間の五感の中で嗅覚とは一番記憶力に優れている感覚なのだそうで・・・あれよ!という間に、先月で5年という歳月が流れた・・・。久々に、少しだけ~先代の事を語ってみる。

4月【第65号】 朝がまた来る

仕事を終え、家に帰ると愛息・勇吾が私の隣にちょこりんと座り、乾杯をせがんでくる。「カンパァーイ♪」としてやると~コップのジュースをグイグイと一気に飲み干し「プハァ~♪」とため息を漏らした後、「うまっ!うまっ!」と笑顔で言い続ける・・・私の晩酌ライフを思いっきりパクっているのである。まだ1歳半のガキんちょが!末恐ろしやぁ~♪である。困ったコトは似るモノで~やっぱり飲んべえの息子は・・・いや、飲んべえの息子の息子は~飲んべえか!と、責任転換してみたりなんかして・・・。

さて、前にも触れた事があると思うが~私の名前も、また勇吾の名前も、生まれる前から決まっていた。勇吾はモチロン~私が名付け親である。『吾(われ)、勇気を持つ者なり』という意を持って付けた。字画云々の書物など~未だ見た事がない。インスピレーションのみの勝負である。もし、余り良い字画ではなかったとしたら・・・まぁ~そん時はそん時だ!しかし、思えば~私も自分の字画がどうなのかも、未だ調べた事はない・・・うむ、チト気になってきたぞ!・・・でも、まぁ~いいか。←いいのかい!ということで~ある日、ある時、ある人に言われ~勇吾に用いた『勇気』という言葉を好きになった。それまでは余り好きではなかった。何故なら~小学生の寄せ書きなどでよく目にする『勇気・努力・根性』といったような~それぞれに素晴らしい言葉なのだが~なんやコテコテ感を感じていたからである。しかしその、ある日、ある時、ある人に言われた事はこうだった。
「100人の暴漢に今にも大事な人が襲われそうだ!それ勇気を振り絞ってぇ~って時の、振り絞る勇気も勇気だけれど~勇気は振り絞らなくても大丈夫。勇気は絶えず持ち合わせているモノ。自分を【あるべき姿の自分】として絶えず表現できるモノ。だからどんな角度から衝撃を受けても大丈夫。振り絞らなくても大丈夫。その時になれば~勇気があれば~勝手に心や身体が動き出すから大丈夫。」と。正に目からウロコ、脳天にカミナリ状態である。「コレだ!」と単純~漠然に思ったので、我が息子に命名した次第である。では、先代はどうだったのであろうか?

自ら改名したいとまで思った【吾郎】の意味合いとしては~<子>や<美>や<代>などが女性の代名詞だった時代背景~<夫>や<郎>などは男性を意味し、つまりは『吾郎=俺は男だ!』という事となり、俺は森田健作や高田延彦じゃないぞー!と、叫んでも~分からない人も多かれと思うので~まぁヒネリがないというか、先代らしいというか・・・。私に【吾郎】の意を説く時の声が今も鮮明に蘇る。「吾郎!男の子はすげぇ~んだぞ!男の子はなぁ~・・・やる!と言ったら、やらにゃぁ~いかん!石にかじりついてでも、やらにゃぁ~いかんのだ!だから、男の子はすげぇ~んだぞ!」と、男女平等のこの世の中で何訳ワカラン事を言っとるのよ!とも思ったが・・・今では~その意味が、よく解る。また勇吾を育て行く上で、声が蘇る事は多々ある。「たかぁーい!たかぁーい!をしていたら、お前は俺に小便を掛けやがったんだぞ!」・・・私も勇吾に掛けられた。「俺が口でクチャクチャってした食いモンを、お前は美味そうに食いやがるんだ!ガッハッハァ♪」・・・私も今、あげている。「お前は俺が屁を掛けた御陰で大きくなったんだぞ!」・・・お下品だが~私も、よく、やる。つまりは~全くもって同じコトをしているのである。・・・何かに導かれるように、また人生をもトレースしているのか・・・。

朝、出勤の準備をしていると~外に連れて行ってもらえると思うのか、必死に私の腕を引っ張り、まだ儘ならない発音で「イコか!行こか!」と連呼する。その声を聞くと無性に力が湧いてきて「よっしゃ!行こかぁー!」と、私の朝は今日も始まる。

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