第257号 朝の60分クッキング

2022-05-31
第257号 朝の60分クッキング

writer:杉 浦 秀 幸

 私の家族は『節約番組』が好きでよく観ております。以前、田舎で自給自足をしながら節約生活を送る家族が放送されていました。シンプルな生活をしながらも自分たちにとって『必要なモノだけを購入する』といった考え方は私の家族と共通点があり価値観が同じように感じました。自給自足の中でも特に料理については気付かされることが多々あり、いつも感心させられます。スーパーに行けば何でも購入できる私たちの生活とは異なるため、どうやって味付けをして料理をするのか疑問に思っていましたが必要な調味料は全て自分で作っていました。『無いモノは自分で作る!』という考え方は自給自足の生活の中での『生活力』の原点だと思いました。

 

 私の父親は昔から「家事は女性がするものだ!」という完全な亭主関白で、全く家事をする姿などは見たことがありません。それどころかテレビのリモコンや電気のスイッチ切りなど自分で出来ることすらせず、母を呼びます。そんな家庭環境で育った私なので当然子供の頃から家事を手伝ったことはありませんでした。また就職してからも一人暮らしを経験したことはなく、結婚してからも家事は殆どやったことはありませんでした。しかし、今の時代は共働きが増えてきており男性も家事をすることが当たり前になっています。会社の若い後輩たちもそれぞれ家事を分担しているようです。また、次女も一人暮らしを始めて頑張って家事をしている姿を見ていたら「俺は、このままでイイのだろうか…?」と不安に感じ家事をすることにしました。

 家事と言っても料理・洗濯・掃除・買い物・ゴミ出し・家計管理・庭の手入れなどなど本当に沢山あります。娘たちが学生だった頃は学校の行事やお弁当もあり、パートをしながら全てをこなしていた妻には頭が下がる思いです。沢山ある家事の中で私は特に『食事』が一番大切だと思い、先ずは料理から挑戦してみることにしました。今までやったことがないのでどうやってするのか全く分からず、何から始めたらいいのか迷っていた時に妻が「昼ご飯におにぎりを作って持って行ってみては?」と提案してくれました。それまでは社食を食べていましたが「おにぎりだけ作るのであれば何とかなるのでは!?」と思い、妻が朝食を作っている横でおにぎり弁当を作ることにしました。そして、おにぎり作りを暫く続けていると少し慣れてきたので卵焼きなどのおかず作りにも挑戦してみたところ段々と弁当らしくなっていきました。最近では平日の弁当作りだけではなく、休日にも妻の料理の手伝いをするようにしています。初心者の私に妻は包丁の使い方や食材の切り方など丁寧に教えてくれます。始めの頃は食器の場所や冷蔵庫に何が入っているのか全く分かりませんでしたが、今は少しずつ分かるようになってきました。

 弁当作りも少し慣れてきたころ妻からまた提案がありました。それは『朝食の担当』でした。しかもメニューは自分で考えて作るという難題を課せられました。6時前に起床して7時までには弁当と朝食を作らなければ会社に間に合いません!【朝の60分クッキング】の中で弁当を作り、冷蔵庫の中を見て朝食のメニューを考えます。ご飯の時は味噌汁を作り、パンの時はヨーグルトやコーヒーの用意をします。しかも長女は小麦アレルギーがあるため私と妻がパンの時は娘だけご飯を用意するので時間がなくもう大変です!それでも毎日同じことしていると少しずつ次に何が必要なのか考えられるようになってきました。しかし、私が弁当や朝食を作れているのは妻がスグ料理出来るように全て『段取り』をしてくれているお陰だと思っています。妻が買い物をして材料を仕入れて、その材料を使いやすいように切り、冷蔵庫や冷凍庫に収納し管理してくれています。私がしている弁当作りや朝食は食事の支度のほんの一部に過ぎないと思いました。私は妻にいつも感謝!です。

 さて、私たちの仕事においても同じことが言えます。まずは目的を明確にしてから事前に準備を行い、次に目標を決めて行動に移します。その上で予定通り進めることが出来て一人前だと思います。『段取り八分、仕事二分』と言いますが、段取りがとても重要だということです。…弁当作りを始めて半年ほど経ち、そこそこのレベルアップはしましたが、この先!目指すこところは買い物から始めて『全て自分で考えた弁当作り』が出来ればと思います。

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