【三和新聞】218号

2019-02-28
第218号 昔の常識は今の非常識
writer: 杉 浦 秀 幸

春は卒業、入学、入社など様々な旅立ちや出会いがあります。来月には新元号が発表され5月からは新しい時代が始まろうとしています。私事ですが我家の娘も3月で高校を卒業し、4月には社会人としてスタートします。そんな娘は2000年生まれ、いよいよ21世紀の世代が社会で活躍していく時代に突入していきます。時代が移り変わるにつれて私たちの周りの環境は目まぐるしく変化していきます。そして人々はその変化に適応するために日々学び、努力していると感じます・・・。

先日、何気なく見ていたインターネットの情報で『今では信じられない!昭和の常識ランキング』なるものが掲載されていました。勿論そこに書かれていた常識は、昭和の時代では当たり前のように行われていたことばかりだったのですが、平成生まれの娘たちには理解できないことだらけだったようです。特に娘たちが驚いていたのが【公共の場でのたばこのマナー】でした。つい20年程前までは電車内や病院の待合室、学校の職員室などどこでもたばこが吸える環境でした。私たちの会社でも当時はたばこを吸いながら仕事をしている人が多く見られましたし、会議中でも当然のようにたばこを吸うので、部屋中たばこの煙で真っ白ということも日常でした。幼少の頃からたばこの害について学校等で教育を受けてきた娘たち世代にとっては、まさにありえない時代だったようです。しかし今では公共の場所での喫煙は禁止され、職場内でも休憩時間に決められた場所でしか吸えないというのが常識となっています。
また私の趣味でもあるマラソン界においても少し前までは常識だと思われていたことが覆ることが起きていました。それを知ったのはランニングシューズを買い替えようとスポーツショップに行った時のことです。店内で私がシューズ選びをしていると店員さんが声を掛けてくれました。マラソンの話など色々と会話をし、その後に店員さんが勧めてくれたシューズが厚底なものでした。厚底と言えば初心者向け用とかジョギング用に採用されていることが多く、競技用では薄底が一般的でした。私は少し戸惑いながらこのシューズを試し履きしました。履いた瞬間に今まで履いたことのないような感覚になりました。厚底なのにとても軽く、アッパー部分がニット状になっているため足にとてもフィットしました。店員さんの説明によると「厚底になれば重くなる」という不利な面を解消するためにソール部に特殊な軽量素材を使い、さらに反発力のあるカーボンファイバーを組み合わせていることで軽さと推進力が実現しているそうです。履き心地も今使用しているものとはかなり違いますが値段も他の商品と比べて2倍以上しましたのでその日は買えず諦めて帰宅しましたが、あまりにも履き心地が良かったのでインターネットで検索したところ、日本新記録をマークした大迫傑選手が使用しているシューズと同じ仕様でした。
そこには靴の性能と共に日本のマラソン界の常識を打ち破る新たな走り方『フォアフット走法』についても書かれていました。従来日本では、かかとから着地する走法のほうが足に負担がかからないとされてきたのですが、最近の研究ではつま先から着地するフォアフット走法のほうが体の負担を小さくできることが分かってきたのだそうです。また今年の箱根駅伝の多くの選手たちはこのシューズを採用していました。選手たちにあったシューズを開発することで記録も伸びたそうです。私はあの時履いた履き心地が忘れられず、先日シューズを購入してしまいました。あとはきちんと練習して結果が出るように頑張るだけです。
時代は常に変化していきます。そしてそのスピードは年々速くなっているように感じます。変化しても良いものや必要とされるものは受け継がれています。また新しく便利なものは活用されていきます。仕事においても大切な技術は継承し、便利なツールを活用していくことで効率が良くなりもっと技術カが上がると思われます。そのため私たちはその変化に柔軟に対応できるように常にアンテナをはっていなくてはなりません。【昔の常識は今の非常識】になることもあるものだと意識しながら日々一歩ずつ目標に向かって進んでいけば何十年後の成長につながっていくと思います。

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