【三和新聞】205号

2018-01-29
第205号 バラエティ
writer: 小谷野 一彦

 先日、私の父(84歳)が車の運転を誤り、縁石に乗り上げる事故を起こしました。幸いにも人を傷つける事故ではありませんでしたが、少し道路を塞ぐ形で動けなくなったため、警察が交通整理をしなければならないほどの大ごとになってしまいました。父からの電話で現場へ向かうと警察の方から声をかけられました。事故ではないため聴取というよりは免許返納を進めるお説教でした。「色々と事情があるとは思いますが高齢者の事故が多いので、ご家族の方からシッカリ免許返納を進めて下さい!」その時期が近づいていると理解していましたが、これを機に警察の方が言われた通り免許返納を父にすすめることにしました。父を呼びその旨を伝えると、素直に承知してくれ「色々迷惑かけたな、すまん。」と免許を渡してくれ、私は「お疲れ様でした。」と返そうとすると、涙で言葉が詰まってしまいました。事故の心配や不安は無くなりましたが、家族にとって生活スタイルが大きく変わる出来事となりました。どう変わっていくのかは見当もつきませんが、家族とはその都度考えていこうと話しています。

 話は変わり、そんな出来事のあった夜、録っておいたバラエティ番組を見ると『元SM●PのN氏』が今年3月に番組終了が決まった出演者さん達にこんな話をしていました。「コンサートやお芝居などはクランクアップや千秋楽など必ず最初から最終日があり、その最終日に向かって全力を出して行きますがバラエティ番組は最終日がなく、逆に最終日がこないように番組を作って行くものなので終了が来るこということは残酷だ・・・」と。会社に置き換えると歌やお芝居は、納品検収を目指した専用機の進め方で、量産は継続仕事として日々の生産を行うので、バラエティに似ているなと感じ【バラエティ】を少し調べてみました。元々バラエティの語源はラテン語の『まだらの』を意味した言葉で『種々の多様な』となり『変化があること・多様性』という意味で使われるようになったとありました。(日本では『バラエティ=お笑い』もあるよう。)2014年3月末で終了した『笑っていいとも』は皆さんご存知だと思いますが、この番組は32年間続いた長寿番組で歌・トーク・ゲーム・クイズなど、番組内コーナーも多種で、出演者も司会・アシスタント以外レギュラー人は曜日ローテーションで毎日変わっていました。バラエティ(変化、多様)の王道をそのままいった番組でした。ただし、王道だけで32年続けることは不可能だと思い、もう少し考えてみました。バラエティに反し32年間変わらなかったコーナーがあります。それは『テレホンショッキング』です。ゲストは毎回変わっていましたが初回の桜田淳子から始まり、最終回(8054回)ビートたけしまでずっと続き『タモリとトークする』という内容も変わりませんでした。(ゲストを呼ぶスタイルは少し変わったようですが)明石家さんまとのトークコーナーやゲーム・クイズのコーナーはどんどん内容も変えているのに『変えないもの』があったのです。何故変えなかったのか、勝手な解釈ですがタモリが『一番やりたいこと、得意なこと、楽しいこと』だったのではないでしょうか?

 今年に入り【変化】というキーワードを会社で何度も耳にして頭に残っていましたので、前号に書かれていた変化について私も考えてみました。変化には色々あり【自分で変えられるもの】これは良い方向にどんどん変える、人を介してでもどんどん変える、変化をさせていくことでドンドン成長し人生を豊かにすることが出来ると私は思います。【自分で変えられないもの】これは親子の関係や他人の性格(笑)などで、変えることが出来ないと思うことは諦めて自分自身の気持ちを変化させてそれを受け入れる。『諦める』とはマイナスイメージがあるかもしれませんが、私は気持ちを切り替える意味で必要なものだと思っています。【変えてはいけないもの】私の場合は『負けん気、向上心』と私の性格(笑)そして何より自分を大切にすること、ここが『テレホンショッキング』のポイントの【継続】に必要なことだと思います。

 無趣味だった私が30歳を過ぎて趣味を持つようになりプライベートも随分と変化してきました。『ゴルフ』のポテンシャルはあると言われたことがありますが、残念ながら実力がなく相変わらず3ケタを打ってしまいます。『弾き語りギター』はちょくちょくライブハウスで演奏させてもらいますが緊張のあまり手が震えているため、それをからかわれて遊ばれています。また『マラソン』『自転車』ときには『塗り絵』にも挑戦してみました。どれも人より抜きに出るような才能はありませんが運よくこんな私でも受け入れてくれる仲間に出会い、その仲間との会話はそれぞれの趣味の話が中心なので私にとって楽しく【バラエティ】に富んだ【変化】のある会話となっています。それに加えて私には変わらず使える【色黒鉄板ネタ】があり、とりあえずの笑いもとれるため皆さん私に飽きずに仲間でいてくれているのかな?(笑)

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