【三和新聞】9号

2001-08-01
第9号 あいのり

仕事を終えて家に帰り、不意にTVをつけると、いつもやっている番組がある。フジテレビの【あいのり】という30分番組である。実はいつもやっているわけではない。たまたま私がTVをつけ、チャンネルを捻ると、この番組に遭遇する確立がむちゃくちゃ高いということなのである。みなさんもそのような番組はないだろうか。初め私は、この番組は週3ペースぐらいでやっているのかな?と思っていたのだが、実はキッチリ週1の番組なのである。これには正直、驚いた。時の経つのは、速い・・・速過ぎるのである。

8月【第33号】 あいのり

皆さんは【あいのり】という番組をご存知であろうか。大体、男4人、女3人という配分でラブワゴンというピンクのワゴンに乗り込み、世界中を旅しながら恋をして、告白すると決めたら日本に帰るチケットをもらい、意中の人にそのチケットを渡しながら告白するのである。カップルになったらKISSをして2人で帰国。駄目ならば、ひとりで帰国と、まぁ~こんな感じの番組である。この番組を見て思うことはただひとつ・・・恋をしていればいいのだなと・・・。日常の生活、仕事に追われることも無く、全く持ってお気楽極楽なモンなのである。しかも番組を見ていると、その国々の最低限の生活レベルを送れるお金しか入国時に渡していないとナレーターは言うのだが、かなりいい生活に見えるのである。ヒッチハイクで世界を旅した猿岩石やドロンズとは雲泥の差である。キビシイ生活を強いられているわけではないのである。そんなこんなで、心の内に苛立ちと、羨ましさを感じながらも、プロデューサーの【技】に引っ掛かり、30分間のお手ごろ番組ということも手伝って、夜食を取りながらついつい観てしまうのである。

この【あいのり】の司会者は、久本雅美、加藤晴彦、今田耕二の3人である。この3人のトークがいい味を出し、番組を盛り立てているのである。一連の流れの後に3人が、そのひとつの恋について、それぞれ感想を言い合うのだが、これが視聴者との共感性を生み、ズイズイとこの番組に引きずり込まれていくのである。しかし、少し番組の裏側的角度からイヤらしく観ると、この3人の内、必ずひとりは、そのひとつの恋のストーリー展開を予め知っているのである。30分番組は大抵、2本撮りなので3人の司会者は洋服を着替え、話の筋を知っている人を中心に何も知らされてないあとの2人が、素直で率直なトークバトルを交わすというバランスのとれた形態を、持ち回りでやっているのである。これが【新鮮】で【ウリ】、プロデューサーの【狙い】であり、【技】なのである。更に裏方さんの努力は続き、恋が生まれやすいようなロマンチックな場所や状況を作ったり、また、中だるみしないように刺激となる問題を意図的に作ったりしているのである。素人の参加者がヒーローやヒロインになれるよう男4女3という人数配分も緻密に考えられた割合なのである。選択肢やカテゴリーを狭くすれば、そりゃぁ~良く見えてくるのも当然である。と、大分イヤぁ~なオッちゃん口調になってしまったが・・・様々な手の込んだ裏工作を【番組】は展開しているのである。番組は、ひとつの創られた【作品】なのである。そして、このように恋愛を対象にした番組は数々ある。最近でいえば、TOKIOが司会の【なりゆき】という番組である。【あいのり】に名前は何となくダブるが、こちらの番組は一週間で恋人を作れ!的な感じで、もっと強引なのである。また、私が大好きなサザンオールスターズの【TSUNAMI】や桜坂が大ヒットした【未来日記】、とんねるずが一世を風靡した【ねるとん紅鯨団】、また時代が判ってしまう【ヒィーリングカップル5vs5】・・・「いらっしゃぁ~い!」で有名な桂三枝の【パンチDEデート】「一目会ったその日から、SEX出来ることもある!」・・・失礼致しました。「一目会ったその日から、恋の花咲くこともある!見知らぬ貴男と、見知らぬ貴女でデートを取り持つ、パンチDEデート!!」という決り文句で、一枚のベールで阻まれた、ブラインドお見合い御対面大公開番組である。また、先程も話したが、企画番組モノなら【電波少年】やら【雷波少年】・・・クイズ番組も、ニュース番組も、歌番組も、料理番組も、お笑い番組も、なんでもかんでも・・・進化しているのである。しかし、長寿番組というのもある。【新婚さんいらっしゃい】や、【パネルクイズ・アタック25】を観ていると、ホッとするのは私だけだろうか・・・・・。

話は大分逸れてしまったが、テレビというメディアの持つ影響力は途轍もなく強力である。数字(視聴率)を取るのにテレビ局は絶えずアンテナを張り、時代の流れを読み、若者のニーズに応え、先駆者として視聴者の心を掴むのである。・・・必死なのである。男と女が恋をするというベースは古今東西変わらないのに、時代に合わせて手を替え、品を替え・・・【もの作り】という基本は変わらない。さて、我ら三和機工は・・・・・。

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