【三和新聞】45号

2004-08-01
第45号 なんちゃってがんばって

【トライアスロン】という競技と出会って~6年という歳月が流るる。私は~ほぼ毎年!ほぼ大した練習もせず!年1回の体力測定という気分でレースに参加している。なので、タイムアウトを食らわず【完走】する事が一番の目標である。・・・ほぼ【完歩】という方が正しいかも。よって、自己タイムは毎年確実に落ちる一途を辿っている。タイムを1秒でも縮めようと~日々努力されている健全なトライアスリートさん達とは異なり、私の気合いの入れ具合は~非常に軟弱である。この辺りが自他共に認める【なんちゃってトライアスリート】と云われる所以であろうか・・・。しかし、寄る年波に衰退してゆく我が体力に、流石に今年はヤバイと感じ、レース1ヶ月前よりスポーツジムに通ってみた!走ったり、チャリンコに乗ったりは普段の生活でも可能だが、こと「泳ぐ」事に関しては、そうそう練習できないからである。実質、レース前までにジムに行けたのは5回程度か・・・しかも、プールサイドよりも~ほぼサウナに居たような・・・←練習しろよ。

8月【第69号】 なんちゃってがんばって

1974年カリフォルニア州サンディエゴで海兵隊の若者達が酒場で言い争いをした・・・らしい。「3種目で一番どギツイのは~ドレでっしゃろなー?」「ほな!イッペンにやってもーたら解りまんがなー!」と言ったか、どーかは定かではないが~この様な単純な発想から【トライアスロン】は生まれたようである。私も【なんちゃって】ながら「トライアスロンをやってます!」と、お話しすると~大抵の方からは「凄いねぇー!」というお言葉を頂ける。「そんな大したこと無いですよぉー!」と言いつつも、胸中にてウフフと喜ぶ。しかし、次に頂けるお言葉は大抵~「え~っと、まず走るんだっけ?泳ぐんだっけ?」・・・順番が理解されていない事を痛感する瞬間である。コレは【なんちゃって】といえどもチョット哀しい。なので、覚えて欲しい。覚え方がある。それは~トライアスロンは【素晴らしい!】(SBRしい!=スイム・バイク・ラン)・・・チト苦しいか。では、別角度から~それは「転けたらヤバイ順」である。スイムで<コケる=溺れる=死>という事に繋がり易いので、体力がある1番始めに~<スイム>なのである。次にコケて痛いのは<バイク>。最後に体力限界でヨロヨロっとコケようとも<ラン>なら怪我は軽いだろうという具合の~転けたら危険要素の高い順番から競技をするのである。もし、逆回転種目でレースをしたら・・・あ~こりゃこりゃ大変だ!である。また、選手登録の際~囚人番号のような登録番号を腕や足にマジックで書く。コレは何の為か?スイムで溺れる→発見が遅れる→溺死→顔など膨張して判断が付かない→腕や足に書かれた登録番号が役立つ!となるワケである。なので、いつも『役立って欲しくないなぁ~』と思い祈りながら、マジックで番号を書き込むのである・・・トライアスロンは過酷なレースである。

さて先日の6月13日、私は【蒲郡トライアスロン】に出場した。スイム1.5km、バイク40km、ラン10kmのオリンピック・ディスタンスと呼ばれるトータル51.5kmのレースである。私は~ほぼ毎年、この蒲トラに参加するのだが~毎年思う難点が・・・それはスイムの事なのだが、蒲トラのスイムは【蒲郡競艇場】で泳ぐのである。そう!海や川ではなく~普段はモーターボートが走りまくってる場所で泳ぐ・・・ご想像の通り!視界目前に広がる水面は~見渡す限りギラギラの油色である。因みに~お味も、とっても油味・・・。私はどーもこの水?に馴染めず、毎年半分以上は背泳ぎをしている。クロールじゃなきゃイケナイという規定は無く、1.5kmを泳げばOKなのだが、一斉に泳ぎ出す人数も多いので人の波に飲まれると~ほぼ水中プロレス・・・マトモな泳ぎなどは到底~出来ず、ジワジワぁ~っと体力を奪われていくのである。そして次に、蒲郡の海風が壁のように立ちはだかる<バイク>~最後は疲労困憊の<ラン>と続き・・・それぞれの種目が、それぞれに大変であり、どれがどう辛いとも言えず、ボーッとした頭の中で~とにかく思う事は【前に進む!】のみである。そんな時、どー見ても無駄のある走りの、どー見ても爺さんだわ!という方にアッサリ抜かされると~ガックリくる。毎日の積み重ねには、所詮【なんちゃって】は勝てないんだと思い知らされる瞬間である。まぁ~いい。爺さんは爺さん、俺は俺だ!と気を張っても~日常の不摂生という厄介なヤツが更にのし掛かってきて、心を折ろうとするのである。【心が折れると、足は止まる】モノである。三和応援団?の前では今年もヘラヘラしていたが~見えないトコでは、もうヘロヘロ状態である。<もうダメだ・・・>そう思い、足を止めようとした瞬間!ドコからともなく聞こえてくる「がんばって!」「頑張って!」「ガンバッテ!」・・・の声。見知らぬ人から、レースを終えた人から、エイドステーションのボランティアの方々から・・・誰からともなく、真剣な眼差しや声や心の叫びの「がんばって!」・・・コレには本当に無限のパワーを貰える。有り難い。本当に苦しい時に、こんなに心に響く言葉はないと思う。心を込めての「がんばって!」それは【なんちゃって】の心や身体にも響き渡り、そして思う。私も誰かに~渾身の「がんばって!」を伝えていかなきゃと・・・。

今年も皆さんの「がんばって!」に後押しされ~【なんちゃって】は無事!完走する事ができた。感謝の気持ちでイッパイである。すると、こんな事を聞かれることがある。それは~「来年も出るのか?何故、走るのか?」と・・・う~む。イマイチこれには自分でもなんでだろう?と思いながら走る感はある。挑戦して、短時間で限界にイケて、結果が出るからだろうか?ほぼ毎年、出場しても~未だ理解し得ないので、来年も出場しながら考えてみようかと思う次第である。ただ苦労をすれば苦労をした分だけ~そのフィニッシュ・ゲートが見えた時~【充実感】や【達成感】という【感動】でイッパイなのは~確かなる【真実】である。

Copyright(c) 2009 SANWA KIKO CO.LTD All Rights Reserved. Design by 三和機工株式会社