【三和新聞】77号

2007-04-01
第77号  「一流になろう!」とは

三和機工の経営方針は「一流になろう!」という一文であるが、私はこの経営方針が結構好きである。会社方針といえば、何かと堅く長い文章が多いという印象があるが、我社のは簡潔であり分かりやすい。なんといっても短いのがいい。あまりに長いと最初から読んで最後にたどり着くころには、何を書いてあったのか忘れてしまう。「一流になろう!」であればインパクトも強く、絶対に忘れることもない。シンプルであれば目標も明確化されやすく、かつ実行に移しやすい。シンプルイズベストだ。

4月【第77号】  「一流になろう!」とは

さて改めて考えてみたいのだが、「一流になろう!」とはどういうことだろうか。「一流」を冠する言葉を探してみると、 「一流ホテル、一流レストラン、一流シェフ、一流企業」などなど。何かその道を極めた者にだけに贈られる称号といった感じだ。辞書で「一流」を調べてみると「その世界で第一等の地位を占めているもの」とある。「一流」を冠することは大変ハードルの高いことのように思えるが、では経営方針である「一流」とはどういうことを言っているのであろうか。自分なりに考えたことを書いてみたいと思う。

一流の社員。社員が目指すべき一流とは何か。「その道を極める、その世界で第一等の地位を占める」ことであるから、例えば技術者であれば、極めて高い技術力を持ち、その技術分野で名が知れ渡るような人であれば、それは間違いなく一流の技術者であろう(ノーベル賞を受賞した京都の会社員とか、青色ダイオードを開発した徳島の会社の元社員で現在は海外の大学教授の人とか。これは一流というより超一流というのかな)。でもそんな人はめったにいない。企業内における技術者(設計者)であれば、要求される仕様にそつなく応え、納期、品質に考慮し、大きなトラブルなく客先に収めることができる仕事(設計)をしていれば、それは一流の技術者と言っていいのではないだろうか。「その世界で第一等の地位」の「その世界」とは、全世界とか日本中とかではなく、「会社内」と捉えれば、「一流」が身近なものになり、ずいぶん気持ちも楽になるような気がする。

では例えば入社したての事務員の場合。それはすぐには一流にはなれないだろうが、一流に近づくことはそれほど難しいことではないと思う。新人に求められることは多くの場合、定型業務である。求められることが定型業務なのだから、それに応えることができるようになれば一流。もっとも定型業務ができるようになったら次に判断が必要な業務を求められることになり、次の一流を目指さなければならなくなるのだが。

一流の会社。上場していて、業界、社会に認められていれば、一流の会社ということになるのだろう。しかし世の中のほとんどの会社は非上場の会社。社員数が数名、数十名の小さな会社でも、日本中から、あるいは世界中から注目されている会社がいっぱいある。一流の会社とは、社員数や規模には関係なく、客先に認められて、地域に定着し、業績が安定(これが最も大事です)していれば、一流の仲間入りになるのではないだろうか。

いろいろと書いてきたが当の自分はどうか。今の自分は一流の会社員です、とはとても言い切れない。少しでも一流の階段を昇る意思があるということでご勘弁を。

最後に・・。今回書いてきたものは、会社の経営方針である「一流になろう!」に対する、私個人の解釈であり、必ずしも会社が示している方向とは一致するものではないかもしれません。しかしながら、会社が示す大きな方向性とは別に、各個人がその方針を咀嚼(そしゃく=噛み砕いて考える事)し、自分なりの方針を立てるのは悪くないことだと思います。一言に「一流」といっても、社員の数の分だけそれぞれの一流像があってもおかしくないのですから。

Copyright(c) 2009 SANWA KIKO CO.LTD All Rights Reserved. Design by 三和機工株式会社