第247号 草刈りから学ぶ

2021-08-31
第247号 草刈りから学ぶ

writer:小 林 照 宜

 昨年の春から町内での自治会の仕事をさせて頂いており、その中で地域の草刈りをしています。私たちの自治会が使っているのはエンジン式の草刈り機で『刈払機(かりはらいき)』とも言われるそうです。WEBで検索すると『刈払機』とは草や小径木を刈り払う為の機械とあります。私たちが作業する場所は畑や山の中の林道で、草の中に小さな木があったりして正に刈払機が適しています。4月から10月まで、ほぼ毎週末に2時間ほど作業をしています。安全のために真夏でも長袖長ズボンで手袋をはめゴーグルを付けて作業をしているので汗だくになってしまいます。

  草刈りをする場所の条件は様々です。平らな所も有れば急な斜面も有ります。斜面では転ばない様に体勢を考えながら作業をします。地面がデコボコしている所があったり草の下に石などの障害物が隠れている時も有り、回転する刈刃が障害物や地面に当たって跳ね返る(キックバック)に注意をしながら作業を行ないます。生えている草の種類やその生え方も様々です。地面にぴったりとくっついて生えている草には刃の角度を水平から少し起こして刈ります。まっすぐ上に向かって生えている草には水平に近い角度で刈ります。生えている草に合わせて刃の角度を考えて作業します。草の深く生い茂った場所では草刈り機の歯の回転を高めに上げて、草がまばらに生えている所では回転を低めにします。回転が高ければ刈れる訳ではありません。その場その場に合わせた効率的な作業を考えなければならないのです。私が去年、自治会で使用していた刈払機の刃には殆どチップが残っていたので1年間は刃を変えずにいました。今年になって刈払機が替わり刃のチップがかなり減っていたので刃を新品に交換しました。そして使用してみると今までは少し深い茂みを刈る時は力を入れて刈払機を振らないと草が刈れませんでしたが、驚くことに横に軽く振るだけで草が刈れて行きます。自分がいかに非効率的な事をしていたのかを痛感しました。今年の4月に刃を交換して使っていましたが先月の草刈りで腰の高さほどまで成長した草を刈ることになりいざ草を刈っていくと力を入れて刈払い機を振らないと草が刈れませんでした。草刈りを何回も行って刃が丸くなっていたのです。刃を交換すると以前のようにスムーズに刈ることが出来ました。状態を見た目だけで判断せず実際に確認することが大事だと思いました。草刈り作業をしている時はエンジンがうるさくて周りの音がほとんど聞こえません。ゴーグルを掛けて視野が狭くなっている事もあり周囲への確認がおろそかになってしまいがちですが体調の悪くなっている人はいないか熱中症にならない様に水分補給を取っているかをお互いに確認し合い作業を行います。

 自治会の仕事を始めた頃、時期を合わせたかのように私の父が家の畑の草刈り中に、ろっ骨を疲労骨折してしまいました。お医者さんから激しい作業はしない様に言われて私が実家の草刈りもする事になってしまいました。父が使っていたのは電動の刈払機でした。バッテリー式の良い所はスロットルレバーを戻すとブレーキが掛かり直ぐに刈刃の回転が止まる事です。エンジン式の物はブレーキが無く惰性である程度の時間は刈刃が回っていて、いざという時には危険なため注意が必要です。草刈り作業には沢山の危険がひそんでいます。ちょっとした油断で事故になりかねません。自治会のメンバーの知り合いで草刈り作業中に小石が目に入り視力が低下した人がいると聞きました。その人はゴーグルを付けて作業をしていたのですがゴーグルがくもってしまい丁度その時だけ外していたそうです。草刈りは安全の確認と色々な危険を予測しながら作業をしなければなりません。会社の仕事でも同じです。安全な作業は安全の確認から始まります。

 草刈りをする時には複数人が最初にある程度の間隔を空けて作業を開始し、途中お互いの作業の進み具合を確認して自分の刈る範囲を調整していきます。会社の仕事でも同じ事が言えると思います。まず初めに『誰が』『何からやるのか?』を決め、途中で『確認』して『軌道修正』を掛ける。【作業する場所の状況を確認してそれに合わせた方法で作業をする。】【使用している機器の特性を把握して効率の良い使用方法を考えながら作業する。】【使用している機器の状態を確認し悪い所は修正をして最良の状態で使用する。】時折、周囲と【コミュニケーションを取りながらみんなで確認し、情報を共有し合う。】・・・この様な日々の作業の中での【総合的な判断力】を付けて、伸びていく事が大切だと思います。

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