第243号 自分でやろう!

2021-03-31
第243号 自分でやろう
writer: 菅 沼 稔

 陽気も良くなりこの新聞が掲載される頃には桜も満開になっていると思いますが、残念ながらこのコロナ禍では今年も花見で宴会とはいきそうに有りません。緊急事態宣言とリバウンドの繰り返しで終わりの見えない状況下、ようやくワクチン接種が始まりました。1日でも早い終息と『当たり前の日常』が戻る事を切に願います。さて今回は、このコロナ禍で外出を制限され家時間が多くなったことで最近チャレンジした【DIY】について書こうと思います。

 この【DIY】ですが「ディ-・アイ・ワイ」と読み、いつの間にか一般化していましたが最初は読み方すら解らず何となく日曜大工の事かなと思っていました。“Do it yourself”の略で直訳すると『自分自身でやる』であり、由来は第二次世界大戦後のロンドンで、廃墟に立った元軍人たちが「何でも自分でやろう!」を合い言葉に町の再建に取り組んだのが始まりだそうです。趣味の物作りぐらいに思っていましたが “Make”ではなく“Do”と言っているところがミソで『行動をおこす』事を促している本来の意味を知りすごく良い言葉だと思いました。

 さて、何を【DIY】したかというと『カべ』です。我が家には3人の息子がいるのですが時に激しい兄弟喧嘩や叱られた後の怒りが壁にぶつけられ、その成長と共に部屋の内壁にはあちこちに穴があいているのです。それぞれの穴には歴史と思い出があり塞ぐのは寂しい気持ちも有りましたが、最近はすきま風がひどく、足が入るくらいの大きな穴も有り生き物が出て来そうな気がするので塞ぐことにしました。さて何から手を付けようか、困った時の『You Tube』です。調べると色々なパタ-ンが紹介されおり、足がすっぽり入るくらい大きな穴の補修動画も有りました。動画再生を繰り返し、必要な物をメモして、いざホ-ムセンタ-に部材調達です。巣ごもり需要によりホ-ムセンタ-が売上を伸ばしているとは聞いていましたが、なるほど結構賑わっているし、【DIY】コーナ-が凄く充実していて専用工具や部材を見ていると楽しくなり『製作意欲が湧く売り場作り』をしているなぁ~と感じます。

 コロナ禍により需要を伸ばしている物といえば色々あると思いますが、私の趣味である『釣り』もそうです。ソーシャルディスタンスを保ちながら楽しめる趣味としてブ-ムとなっている様です。私がメインでやっているのがサ-フ(砂浜)からの『ヒラメ』釣り、シーズンの9~11月ともなれば砂浜は賑わっているのですが、最近では1~2月の殆んど釣れない時期にもそれなりの人が居ます。例年だとこんなくそ寒い時期にサ-フで釣りをしている物好きは自分含め数人しか居ませんでした。そして釣具店では以前より初心者コ-ナ-が充実し『新規客獲得の工夫』がされている様に思います。コロナ禍で大変な中にも色々な所にビジネスチャンスは有るのだと感じます。

 話はだいぶ逸れましたが、部品調達を終えて早速作業開始です。穴の回りの石膏を綺麗にくり抜いて、新たな石膏ボードを貼るための下地板を取付け、そこにボードを固定する。簡単に説明するとこんな感じですがYou Tube動画のようにスムーズには出来るはずもなく、「石膏に水入れすぎた〜!」だの、作業がもたついて「あ〜!石膏が固まってしまった!」だの多くのアクシデントに見舞われながら、最終的には息子達にも手伝ってもらい(←息子があけた穴だし!)何とか補修することが出来ました。見た目は少しいびつなところも有りますが、妻は「逆に味が有って良いよ!」と言ってくれましたし大満足の仕上がりでした。妻の優しさから出た言葉なのかも知れませんが、アレンジを加えれば自分オリジナルの遊び心のある内壁が出来そうだなあと思い【DIY】の良さを改めて感じました。そして何より補修後は息子達の壁に対する当たりも優しくなった様に感じます。やはり苦労して直したものには愛着が湧くのでしょうか。色々なものが簡単に手に入る便利な昨今ですが、「専門外だから」とか「担当じゃないから」と理由を付けて何でも人任せにするのではなく、まずは自分の出来る事から行動に移し【DIYの精神】で明るい未来を築いて行きたいと思います。                             
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