第224号 分別してますか?

2019-08-31
第224号 分別してますか?

writer: 菅 沼 稔

 今年の梅雨は本当に雨が多く、例年よりも早い時期での台風の接近もあり、各地で大雨による災害が発生していました。運河沿いの海抜2mにある我が家では、数年前に自宅前の道路が川の様になった事が有り、雨には特に敏感になってしまいます。そんな梅雨がようやく明けたと思ったら、猛暑の到来です。この時期エアコン無しでは過ごせませんが、寒いのが少し苦手な私とクーラ-大好き妻とで設定温度の攻防が繰り広げられます。(もちろん折れるのは私です・・・)そして、この時期は食べ物も傷みやすく特に気になるのがゴミの臭いですが、今回は【ゴミ】をテーマに書きたいと思います。

 去年から町内の自治会役員をやっている関係で、ゴミ捨て場の管理を手伝う様になったり、私の知らない所でいつの間にか『地域清掃委員』なるものに任命されていたりでゴミとの関わりが多くなりました。その関係で市主催のゴミに関する報告会に参加する機会が有ったのですが、一番の話題は【ゴミ出しのマナ-】に関する内容でした。家庭から出るゴミは各地方自治体で決められたル-ルに従って捨てているかと思いますが、年々ゴミの分別種類が多くなってきている事もあり、分別が不十分であったり、収集日の間違い、更にはカラスの被害等々でかなり苦労されている様でした。私の住む町内では『ゴミ当番』というものがあり、町内会員が順番で収集日に当番の腕章を着けてマナー違反を見張る制度が有ります。そして今、自治会の仕事としてゴミ収集場所4ヶ所の管理とゴミ当番表の作成をしているのですが「違うゴミが捨てられている。」「カラスがゴミを荒らしている。」「ゴミ当番の順番が・・・」「ゴミネットが台風で・・・」等々の苦情や分別についての相談が絶えません。ゴミについての知識がそれ程あるわけでもなく「知らんがなぁ~」と心で思いつつ、自分で調べたり前任者に聞いたりしながら何とか対応しています。今まで何気なく使っていたゴミ収集場所ですが、その裏で管理している方の苦労が有って成り立っていたのだと知り、歴代の役員さんには頭が下がります。

 さて、自分が『ゴミ問題』に直面しているとおのずととニュ-スで流れるゴミ関連の話題も気になってしまいます。経済成長を続ける中国ですが、近年ゴミ問題が深刻化している様で今年7月に上海で『生活ゴミ管理条例』が施行されました。主に4種類に分別し、捨てられる時間帯は朝と夕方の各2時間内とし、違反者には個人では最高200元(約3,200円)、事業者には最高5万元(約78万円)の罰金が科せられるとの事です。監視員の配置やカメラ設置によりかなり本格的に取り組んでいる様で、先々月の三和新聞メイン記事にも【中国総監視社会】の体験が載っていましたが、ゴミまでもが監視の対象とは!・・・罰則や監視の目が無くてもルールが守られるような、豊かな社会にしたいものです。

 またここ最近、『海洋プラスチック』についてのニュ-スがちょくちょく取り上げられています。今やプラスチック製品は私たちの生活には無くてはならない物ですが、正しく処理されない物が海に流れ出て海流に乗り、太平洋の真ん中でゴミの吹き溜まりが出来ているのだとか。そして2050年の海には魚よりもプラスチックゴミの方が多くなるかも知れないとの調査報告も有るようです。更には『マイクロプラスチック』なる微細なプラスチックが魚のお腹から検出されているのだとか、自分が趣味で釣ってきた魚のお腹にも入っているかと思うと「ゾッ!」とします。最近はス-パ-のゴミ袋有料化や紙ストロ-を使う企業も増えてきており『プラスチックフリー』が叫ばれていますが、ゴミを減らすところから世界レベルで取り組まねばならない問題なのだと思います。町内のゴミ出しマナ-の話から世界へと少し大げさな話の展開でしたが、深刻な世界のゴミ問題の中に潜むビジネスチャンスにアンテナを張りつつ、家庭ゴミの分別も世界のゴミ問題解決の第一歩と考え、マナ-向上に努めていきたいと思います。                

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