第223号 お盆

2019-07-31
第223号 お盆

writer: 彦 坂 訓 克

 梅雨の鬱陶しい時期も終わり、いよいよ夏真っ盛り8月となりましたね。(この記事を書いている時はまだ、梅雨真っ只中でしたけど)梅雨時期といえば、東海地方ではここ数年、梅雨入りは早まってきており、梅雨明けは遅くなっているようで梅雨と呼ばれる時期が年々長くなってきているそうです。梅雨のジメジメも不快ですが、それ以上に釣り好きの私にとっては、出撃できる日が少なくなる、とても辛いイライラ時期となります。梅雨が明ければ明けたで天敵?台風が猛威を振るいますけどね。日本の夏といえば、花火・海水浴・キャンプ・高校野球など連想することはいっぱい有りますが、今回は我が家の【お盆】を書いていきたいと思います。

 お盆とは故人やご先祖様の霊が、あの世からこの世に戻ってきて家族と過ごす期間であると考えられています。皆さんは【精霊馬=しょうりょううま(牛馬)】をご存じですか?【ナス】や【キュウリ】に足がついたアレです。精霊馬はナスを牛、キュウリを馬になぞらえますが、それぞれに理由があります。一般的には、馬は先祖がこちらに来る時に早く来れるように、牛はたくさん荷物を積み込んであの世へゆっくり帰るように供えるものとされているようです。また、精霊馬には、よく『そうめん』が一緒に供えられるようですが、精霊馬と一緒にする理由にはいくつかの説があるようです。まず、喜びを細く長く続けられるようにという願いが挙げられるそうです。ふたつめは、精霊馬に関する道具としてのようです。ご先祖様が帰るとき、荷物を縛るための紐となったり、精霊馬の手綱となったりするとされているようです。荷物ってこの世からあの世に何を持っていくのでしょうか?子供の頃は、仏壇に飾られている精霊馬を見掛けると「なんだこりゃ?」ってしか思わなかったですが・・・何事にも意味があるんですね。

 私は15年前に母親を亡くしております。母親が他界するまでのお盆休みといえば、普通に夏休みということで、日ごろの疲れを癒しにのんびりしたり、どこそこへ遊びに行ったりの過ごし方でした。しかし母親を亡くしてからは、13日にお墓と家の庭先で『迎え火』を行います。迎え火というのは、戻ってくる先祖の霊が迷わないように、目印として火を焚くお盆の風習とのことでキュウリの馬に乗って帰ってくるらしいですが、迎え火を2か所で行って私と同じ方向音痴だった母がいったい迷わず家に帰って来られるのでしょうか?毎年思ってしまいます。15日夕方には『送り火』を行います。送り火とは、お盆の期間に一緒に過ごした先祖の霊を送り出す行事です。ナスの牛に乗って荷物いっぱい、ゆっくりあの世に帰るのでしょうね。送り火を眺めているときに最近感じるのは、もう少し前は送り火の煙が上がっている家がもう少し多かったような気がします。宗教的な考えもありますが、お盆は悔やむ気持ちより故人との交流を喜ぶ、懐かしむ側面が大きい法事でもあるので、少なくなるとなんとなく・・・寂しい気がしてしまいます。

 お盆に母を迎えるようになってからは毎年、父と私の家族、姉家族、甥っ子家族が集まってお墓参りへ行ったり、食事をしたりでお盆休みを過ごすようになりました。久しぶりに会っての姉の老け具合やら息子や甥っ子の成長具合、生前の母の悪口で話が盛り上がります。年老いた父もこうして毎年こうして集まることをとても嬉しく、楽しみにしているようです。

 お盆とは、故人やご先祖様の霊があの世から戻ってきて家族と過ごす期間ということですが、もし、母が他界していなかったらどうだったでしょうか?毎年こうして集まることはきっと無かったでしょう。やはり故人が生人を集めてくれるのでしょうか?会社や仕事で毎日顔を合わせていても、日ごろの忙しさ故に何かキッカケがないとコミュニケーションが取れない事って多いですよね。コミュニケーション不足がちになっていませんか?こんな記述が有ります。【挨拶】あいさつの『あい』には、心を開くという意味。『さつ』には、その心に近づくという意味があります。あいさつとは、自分の心を開くことで、相手の心を開かせ、相手の心に近づいていく積極的な行為なのです。このように、挨拶は「あなたの存在を見つけました。よろしくお願いします!」という人間関係をスタートさせるためのコミュニケーションの第一歩といえます。相手の目を見て、明るく!元気よく♪心を込めてするのが挨拶の基本です。【挨拶】は毎日のコミュニケーションのスタート!しっかり出来るように心掛けていきたいですね。

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