第222号 監視社会

2019-06-30
第222号 監視社会

writer: 小 谷 野 一 彦

 今回の新聞担当としてネタを考えるさなか急遽!中国への出張が決まりましたので、その実況をしながら書き進めたいと思います。出発前情報として中国では電子マネー化が進み現金が使えないと小耳にはさんでいたので、中国で使える電子マネーを調べてみると『LINE』と同様の機能を持った『WeChat』なるアプリが多く使われているようなので、更に調べを進めると残念ながら中国に銀行口座が無いと支払機能は使えないことが判明しこれを断念。しかしこれでは食事もできないのではないか?と思い現地に精通している方に現状を確認すると確かに電子マネー化が進み現金が使えない店もあるが、大半は現金もOKとのことで一安心!実際に現地スーパーや飲食店で現金を使う事できました。ただ現地の人は観察しているとぉ~ほぼ電子マネーでしたね!

 今回の中国訪問はVISAの取得が必要でありその手続きを進めるためパスポートの渡航履歴を確認すると、前回海外に行った時の帰りの日本入国時のスタンプが無いことが判明、どうやら顔認証とやらで帰国入国したようでそれで入国するとスタンプを押されないとの事・・・そんなこと記憶ございません(笑)出入国管理をスムースにするため取り入れられたシステムだと思うのですが結局空港まで証明をもらいに行く羽目になり、便利なはずのシステムが仇となって返ってきました。そしてなんとか一通りの準備が整い出発!空港で出国審査まで進むとそこには無人ゲートが・・・ちょっとドキドキしながらパスポートをかざしカメラに顔を向けると、ものの数秒で出国OK !!実に便利!! 人の審査だと睨みつけられながら作業が進むので取り調べを受てるような気になり気分悪い感じですが、無人はそんなストレスもなく気分よくフライト!! いよいよ中国に入国です♪

 タラップを降りると中国人以外は顔認証機のような機械に案内されたので隣の人の見様見真似でパスポートをかざすと日本語が流れ指紋登録機だと解りました。まずは左手4本、次に右手4本、さらに両手親指2本を登録し完了!! 次の入国審査へ進むとそこは有人ゲートで、いかつい顔した審査官が眉間にしわ寄せ審査作業をしていて、よく見ると指紋認証機と顔認証機が両方あり、審査官・顔認証・指紋認証の三重審査システムです。指紋認証はまだしも目の前に本人がいるのだから顔認証は不要だろ~『睨むな!! 気分悪い!!』こんな感じです(笑)審査も無事終了し中国へ入国、お迎えの車がある駐車場へ歩きながら『あれっ?なんか違う?なんだろう?』と思いながら目的地まで出発、高速に乗り走っていくとやはり何かが違う!静かすぎる・・・そう!クラクションの音が聞こえない!それに料金所前に車列が出来ている、何と中国の滅茶苦茶だった交通事情に秩序が生まれ、彼らに譲り合いが生まれていたのです!! 中国の変化は物理的なものだと思っていましたが、人間性も変化しているのですね、素晴らしい変わりようです。そして目的地のホテルに到着し、部屋に入ってメールチェックのためWi-Fiにつなぐと、使えない予定のLINEやメッセンジャーがメッセージを受信するではありませんか?!やはり中国は凄いな~使えないって聞てるのに変化が早いなぁと思ったのも束の間!返信が送信されない・・・少し経つと途中から受信数のみ表示されLINEの未読数は増えるがメッセージが読めない・・・更にはYAHOO検索するとネットは繋がっているのに検索ができない・・・スマホがなんの役にも立たなくなりました。唯一契約している会社のメールは見ることが出来た事と、ネットゲームだけは使えました。私のネット状況を細かく監視し、やらせられることやらせないことを瞬時に判断し、制限をかけているのですね・・・ある意味凄いです。

 街に食事に出ると車に乗っている時も気になっていたのですが、いたるところで『ピカッピカッ!』現地の同行者に尋ねると「あれは全てカメラです。」との事、ある場所の交差点には大型モニターが設置され、カメラが捉えた信号無視などの違反者の顔が映され【さらし首】状態にはなるのです!呆れるばかりです。そうだ!今までの事は全て【中国総監視社会】の体験なのです!車や人の交通に秩序が生まれたのは監視されているからなのです!ホテルでの私の行動も私がネットに繋げた瞬間から行動を監視されているのです!少し大げさな感じに思うかも知れませんが日本人が考えるより数倍監視の目があると思います。こんな記事だと中国には行きたくないという人がいるかも知れませんが、数年前と変わらずエネルギッシュな生きる力のある国だと今回の訪問でも感じましたので、近いですし力を感ずるお勧めの国です!そういえば中国出発前夜、私の父が夜中に起き風呂場から洗面器を持ち出し寝室に運んだ事件が起きました、結果夢を見ての行動で次の朝きちんと夢であんなことやってしまったと記憶があったのでボケではないと思いますが、我が家にもいたるところに監視の目が必要かも知れません(笑)

Copyright(c) 2009 SANWA KIKO CO.LTD All Rights Reserved. Design by 三和機工株式会社