【三和新聞】191号

2016-11-30
第191号 『あの日の朝も・・・』
writer: 市川 五規

あの日の朝も・・・いつものように「おはよー!朝だよー!」と家内に起こされ、目覚めました。カーテンを開け窓の外を見ると、どんよりとした雲が重くたれこめていて昨夜も晩酌を少々飲みすぎたのか体がだるく重い気がしました。それから私はベッドから降りて日課の朝風呂のためパジャマを脱ぎ風呂場に向かいました、湯船に浸かりしばらくすると頭が覚醒し体も温まったので、体を流すために湯船から出てシャワーが温まるのを待っていました・・・・・

・・・と、その時でした。 ズン! という感じの音が頭から聞こえたような衝撃があったような感じでした。すると視界が急にスマホの画面くらいに キュン! と小さくなったのです。その周りは真っ暗で私は・・・なんだこれは、ヤバイ種類の病気か? くっそー! こんなので死にゃせんぞー!・・・と、思ったと同時にその場に倒れたようです。 その後5分位でしょうか?意識が戻り目を開けると家内が私の背中に手を回し体を起こそうとしながら携帯で救急車の要請をしていました。こうして私は豊橋市民病院に運ばれて 医師に言われた病名は『くも膜下出血』でした。これが2015年6月16日の出来事です。

ここで簡単に『くも膜下出血』を説明しますと、脳の表面を覆う膜のひとつであるくも膜の下に脳動脈があり、その動脈から出血している状態の事をいいます。発症したら3分の1の方が亡くなり、3分の1の方に障害が残り、3分の1の方が元の生活及び仕事に復帰できるそうです。話を元に戻し、その日の夕方から緊急開頭手術となり私の頭は頭蓋骨をカパッと開けられ、くも膜の下の血管をクリッピングで止めるという手術をして戴きました。(気持ち悪いですか?すみません。)4時間ほどでしょうか・・・私は全身麻酔から覚めると目の前で家内が「よかった、本当によかった!」とボロボロと涙を流し泣いていました。私は(あー生きている。生かしてもらっているんだ!)と素直に喜びました。と同時に自分も自然と涙が出てきて、家内や家族に心配かけて申しわけない気持ちでいっぱいになりました。けど麻酔のせいか点滴のせいか、ストンと眠りに入りました。

翌日の朝、目が覚めて自分の頭がどの様な状態なのか気になりだし。鏡で自分の頭を見るとビックリです。手術時の傷口を塞ぐのに縫って縫合すると思っていましたが、なんとホッチキスの親分のような少し大きめの金具が傷口を塞ぐために隙間なく打ってありました。なんだかサイボーグ(古い?)にでもなったような感じでした。(痛そうですか?すみません。)それから入院生活が始まりましたが やはりご飯が薄味で不味くはないですが美味しくもないので満足感はなかったですし、暇で暇でしょうがない感じでした。しかも以前からタバコを1日に20本くらいは吸っていたものですから、吸いたくてしょうがなかったのです。ある時「吸いたいなー!」と言いながら指2本を口に当てスーッ・・・ハァー♪とタバコを吸っている格好をしていたら 担当医師に見られて「ターバコはいけませんよー!」と大きな声で言われてしまいました。今度再発したら血液が止まらないとも言われました。

私は・・・やっぱりタバコは体にも血管にもよくないんだなー・・・と改めて実感しました。その時に『よし!タバコやめるぞ!」と決心しました。家内や家族に心配をかけないためにも、友人や三和の人たちに迷惑をかけないためにも。それから2週間で退院できて、更に1ヶ月間の自宅療養をさせてもらい、3D-CTスキャンで検査して『異常なし』となり 無事に元の生活と仕事に復帰させてもらいました。
今ではいろんな人に、いろんな事に感謝です。今現在、仕事をやれる事。仕事をさせてもらえる事。仕事がある事。いろんな事に感謝です。これからも仕事や生活の面で感謝の気持ちを忘れずに生きていこうと思います。

 

 

Copyright(c) 2009 SANWA KIKO CO.LTD All Rights Reserved. Design by 三和機工株式会社