【三和新聞】184号

2016-04-01
第184号 心のフライホイール
writer: 太田敏浩

暖冬と言われながらもやはり寒かった冬もようやく終わりを迎え、外の陽気はすっかり春めいてきました。そんな春の訪れを花粉の飛散から感じる私は花粉症です。因みに花粉症人口は全国で3000万人以上!少し前までは1000万人と言われていましたがずいぶん増えたものです。同じように増え続けているのがマラソン人口で、今やその数1000万人だそうです。そのどちらにも属している私の今回のテーマは旬な花粉症ではなくマラソンです。

さて、属していると言ってしまった私ですが、日々ランニングに明け暮れるガチランナーではなく・・・なんちゃってランナーです。会社の同僚と熱い志?で市民マラソンにエントリーするも、気付けばレース直前。気休めの練習でレースに臨むか、ひどいときはぶっつけ本番でレースに参加して、こんなに脚って痙攣するんですか?って、経験をする始末です・・・。しかし、勢い余って同僚とフルマラソンにエントリーしてしまったのは昨年の夏。最長ハーフマラソンの私にとって、レース4ヶ月前の無謀な挑戦です。インターネットで検索すれば、フルマラソン完走までのトレーニングメニューのサイトを見つけることが出来ます。「今は、暑いから・・・9月になったらトレーニングを開始しよう♪」と先送りする人間には、やはり計画的はトレーニングは出来ませんでした。

本番1週間前の会社の忘年会会場までトレーニングを兼ねて同僚3人で会社からランニングで向かいましたが10数キロ走ったところで、いち早くギブアップです。次の日、宴会場ホテルから豊川稲荷経由で完走祈願をしつつ30キロを歩いて会社に戻りました。これで2日トータル42.195キロはクリアしたでしょう。しかし!30キロウォーキングは・・・カナリ堪えました。人生で初めて30キロを自分の脚で移動しましたが、腰は痛いし足の裏にまめは出来るしで『遥かなりフルマラソン』を痛感したのでした。

そして迎えたフルマラソン当日!フルマラソンは30キロを超えたら地獄と聞いていましたが、ハーフの21キロを超えたら、もう地獄の始まりでした。足の痛みを堪えて25キロくらいまでは走りましたが、最早(もはや)走っているのか、歩いているのか分からない状態で・・・遂に歩きました。そこから先は歩いたり走ったり、どちらにしても足が痛くてたまりません。6時間リミットを計算しつつ・・・とにかくゴールを目指して、なんとか5時間30分で完走?です。完全に走っての完走は出来ませんでしたが、終わってみれば楽しかったです。数キロごとにあるエイドステーションでの燃料補給や沿道のみなさんの応援、移り変わる景色はバイクツーリングと同じほっこりした気分を味わえたのです。

さて、来たる!3月27日は豊橋の『穂の国マラソン』です。(原稿を書いている今は3月22日)これまでの教訓を生かすことなく、ノートレーニングで本番を迎えそうです。しかし、ランニングの本を買って少し学びました。なるほどなぁ~と思ったのはランニングは慣性を利用することで、より楽に走れるということです。前傾姿勢で前に進もうとする力を妨げないスムーズな走法を身に着けることが大切です。少し話が逸れますが、車のエンジンはなぜ逆回転しないのか?それはエンジンのフライホイールという円盤が回り続ける慣性によりエンジンは一方向に回り続けるのです。ランニングにおけるフライホイールとは『走り続けるハート』でしょうか。気持ちが無くなれば惰性となり、いずれ止まってしまいます。マラソンは『人生の縮図』と云いますが、山あり谷ありのコースを坦坦と走り続けることが理想です。それが42,195キロに限らず、どこまでも・・・。

 

 

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