【三和新聞】175号

2015-06-30
第175号 運転免許の更新♪
writer: 広田 光男

私の誕生日は5月29日、運転免許の更新期限は6月29日だ。誕生日半年前の昨年12月半ばに運転免許を更新するための『講習予備検査(認知機能検査)通知書』が届いた。70歳になると運転免許更新には事前に自動車学校で『高齢者講習』を受けなければならないが、更に75歳になると『高齢者講習』を受ける前に『講習予備検査(認知機能検査)』を受けなければならない。要するに免許更新するには2つの講習、検査が必要だ。半年前の通知は随分早いな~と思いながら(よし!誕生日前になったら検査を受けよう!)と思ったのだが・・・これがいけなかった。

5月に入り講習の申し込みをするためY自動車学校に電話をした。「もしもし、講習予備検査を受けたいのですが」「ありがとうございます♪」と若い女性が丁寧な言葉で応対してくれた。「今日のお申込みですと一番早い検査日で8月になりますが?」と言う。えぇ~っ!と思い「8月ではダメです!6月29日が免許の更新期限です。何とかなりませんか?」「高齢者講習はものすごく混んでいます、もっと早くお申し込みしていただかないと、通知書も半年前に届いたはずですが?」「・・・すみません、十分間に合うと思っていました、何とかしてもらえませんか!」と頼み込んだ。「お約束は出来ませんが、一度調整してご連絡差し上げます。」と電話は切れたが、もっと早く申し込めばよかったな~と後悔と共にもしダメだったらどうしようと心配になった。しばらくして電話がかかってきた。「6月2日にお1人様キャンセルが出ましたので、それで良ければお取り出来ますが?」「それでお願いしますっ!」と即答した。「それでは6月2日12時50分までにこちらに来てください♪ご持参するものは、通知書・運転免許証・黒のボールペンと費用5,850円です。当日は遅れない様にお願いします♪」・・・と、一件落着したがどんどん高齢者が増えている現実を改めて思い知らされた。

さて、6月2日12時30分過ぎにY自動車学校に行った。教室に入ると男性4人、女性4人・・・私を含め9人の爺さん婆さんが今日の受検者である。午後1時、担当教官1名補助教官2名が来て教官の自己紹介と我々の気分を和らげる為かジョークを交えながら始まった。「講習予備検査の目的は、高齢者の運転による事故が年々増加しているので、皆さんの記憶力、判断力、運転適応力、運転実技の検査をして一定の水準以下の人は警察から医師の診断を受けるよう命令がでます。合格するよう頑張りましょう。」と、前置きに続いて5枚綴りの用紙が配られた。「私が指示するまで用紙をめくってはいけません。まず携帯と腕時計はバックか机にしまってください。問題ごとに制限時間がありますが皆さんは時計を見ることが出来ないのでここにタイマーをセットします」と前の白板にタイマーを付けた。「それでは1問目です、1枚めくったページに氏名、生年月日、電話番号、今日の年月日、曜日、現在時刻(予測)を書きなさい。間違った字は書かないように!わからない字は平仮名カタカナでいいですよ!」と教官。すぐに誰かがつぶやいた。「今年は何年だ?今日は何曜日だ?」すかさず教官が「声出さないで!」と注意した。しばらくしてタイマーがなって1問目終了。

「2問目です、今から16枚の絵を見せますからしっかりと記憶して下さい。さて、1枚目これは何でしょう?皆さん大きく声を出して言ってください♪」みんなで一斉に「ライオン!」、2枚目「大砲!」、3枚目「ラジオ!」、4枚目・・・と16枚の絵を爺さん婆さんが幼稚園の園児のように大きな声を出して見て、言い終わった。3問目は用紙一杯に数字が羅列してある。「この数字の中から2と9だけ斜線を引きなさい、途中見落とさないように、見落としをしない注意力が肝心ですよ!」と教官。3分の2位進んだところでタイマーがなって終了。「次です、先程見た16枚の絵を思い出して名前を書いてもらいますが、まだ忘れてないでしょうね?最低4枚以上書けないとダメですよ♪」と教官。ひとりの爺さんが「え~っ!今から?もう~ぜんぜん覚えとらんなぁ~!」と、ぼやく。「よく考えて思い出してください、大事なところです!」と教官。なかなか思い出せないもので、なんとか9枚思い出したところでタイマーがなって終了。

つくづく記憶力の無さ、衰えを実感した。続いて4問目、「紙いっぱいに円を描いて時計の文字盤を描き、8時25分を示す短針と長針を描いて下さい」と教官。これは簡単だったが、うまく描けない人もいるようだ。このあと検査は昼間視力、夜間視力、動体視力、視野角度検査に続いて運転適性検査、教習コースでの実車運転検査で3時間半の検査は終了した。最後に一人一人に検査結果の通知があり、私は今回、記憶力、判断力に心配ありません♪との結果だったが、高齢者の事故増加に伴い国も『認知機能検査』の強化を柱とした道路交通法の改正を進めている。先々月5月の三和新聞でも高速道路逆走のことが書かれていたが、あれが我が身に起きない保証はない。これからも事故なく安全運転を続ける為には脳と身体の緊張感と柔軟性を持ち続けて行かなければならない。これは仕事も同じではないだろうか。

 

Copyright(c) 2009 SANWA KIKO CO.LTD All Rights Reserved. Design by 三和機工株式会社