【三和新聞】34号

2003-09-01
第34号 性

「ザ・ベストテン」という歌番組があった。その中で「今週のスポットライト」というコーナーがあった。25年前、サザンオールスターズというバンドに、そのスポットライトが当たった。当時~小学生だった私は、ブラウン管に映し出されたサザンを観た瞬間!釘付けとなった。桑田佳祐というヴォーカリストに・・・脳天に落雷を受けたような~そんな衝撃を感じたのである。

9月【第58号】 性

先日、飲み仲間が1枚の紙切れを渡しながら私にこう言った。「こんなのあるよ!出てみれば?」目を通すと、サザンが今年でデビュー25周年ということで、お台場で「真夏の秘宝館」なるものを開催しているらしく、レア物グッズの展示やイベントが盛り沢山!といった内容であり、そのイベントのひとつに「サザンファンの勝手に真夏のうた合戦」というモノがあった。どうもオリジナルプロモーションカラオケをバックに特設ステージで歌えるらしいのである。そして優勝者には豪華賞品!と書いてある。飲み仲間はコレに出ろというのだ。「ほう!」とだけ私は答えた。確かに高校時代はサザンのコピーバンドに明け暮れ、一応~ヴォーカル担当である。人前に出るのは嫌いじゃないし、歌もチ~とはイケるかなと・・・。しかし、【何か】が私にブレーキをかけた。そして数日が流れた。また別の仲間内から声が掛かった。ソイツも要は「出ろ!」ということだった。意を決し、真夏の線香花火?気分で応募した。イベント主催者は~サザンファンクラブ&アミューズ(サザン所属事務所)&フジテレビジョンということで、厳正?なる審査の結果~数日後、私の出場が決まり、曲目は「ホテル・パシフィック」と、決まったのである。・・・俄然、現実味を帯びてきて、私にブレーキをかけていた【何か】が、またヒョッコリと顔を出してきた。さて、その【何か】とは何か?
それは多分、正直言って~【緊張】である。人前に出て歌うことなどには何の緊張も憶えないが、25年も前からずっとサザンが大好きで、コピーバンドもやってきて・・・妙な自信というか、誇りみたいなモノを持っていた事に今回~気づかされたのである。それが出場することによって審査され、評価されるという緊張、そして、崩された時の恐怖・・・「絶対!誰にも負けたくねぇー!」という感情が心底から沸々と湧いてきたのである。トライアスロン大会やフルマラソン大会では決して思わぬ感情である。まぁ~自分自身に負けたくないとは思うが~今回は【誰にも】という、特別な感情であった。しかしながら振り向けば、私の普段の生活は不摂生の連続!酒やタバコといった喉に大変宜しくない日常である。最近はカラオケをやっていても<昔ほど声が出なくなったなぁ・・・>と嘆くばかりの日々・・・なので【緊張】~なので私は「うた合戦」の1週間前から禁煙だぁ~!と自分自身に課せてみた。【緊張】を払拭したいという感情が、普段では到底出来ない禁煙をアッサリとクリアした。人間、目的がハッキリするとなんとかなるモンだ!とチョット思った。たかだか1週間の禁煙~されど1週間の禁煙である。

「うた合戦」当日~スタジオに入り、そしてリハーサルが行なわれた。音程(キー)の調整と共に、イベントの流れ及び、審査員が紹介された。爆風スランプのギターリスト!パッパラー河合さんを審査委員長に、アミューズのプロデューサー、フジテレビのお偉い様、そして女優の須藤理彩さんと豪華な顔ぶれである。流れ自体は、司会者さんに呼ばれて、エントリーナンバーを言って、一言サザンに対する想いを語って、ワンコーラス歌って、鐘が「カァ~ン!」と1つ鳴るか、2つ鳴るか、「キンコンカンコン♪×2」と鳴るかで合格で・・・ん?コレでは「うた合戦」ではなくて「のど自慢」じゃねぇ~か!と思ったが~そうなのである。そして合格者の中から【グランドチャンピオン】が決まり、グラチャンにのみ!5万円分の旅行券と、もう1度「勝手にシンドバッド」をフルコーラス~ステージで歌え、更に!そのVTRをアミューズより贈呈されるというのである!著作権の厳しいスタジオ内では撮影及び録音は一切禁止!なので、そのVTRは【お宝モノ】なのである。う~欲しい!これはもう~やるっきゃない!俄然、私に火が付いた!参加は40組ほどで、1組で15名というトコもあったので~参加者は80名ほどだろうか?その中で一番にならにゃ~ならん!私は密かに戦略を立てた。それは至って単純!ファーストインパクトからドドォ~ンと観客を惹き付けたモン勝ちや!ということである。【俺を見ろ!】そんな思いで私は、私の中にある【性(さが)】をステージの上で爆発させた!

結果~私は【グランドチャンピオン】になれた。気持ちよぉ~く歌った。真夏の忘れられない熱いイベントとなった。エッヘッヘ!ということで・・・え~実に申し上げにくい事なのだが、大会は【平日】に行なわれていた・・・「皆様!本当に御免なさい!」本日からマジメに働く所存である。

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