【三和新聞】48号

2004-11-01
第48号 ジャッジメント

少年野球の審判をしている。ボーイズリーグという硬式の少年野球で、小学生から中学生まで入部可能であり、北は北海道から南は沖縄まで全国約39支部から成り立っている。「硬式野球を愛好する少年に、正しい野球のあり方を指導し、野球を通じて、心身の錬磨とスポーツマンシップの理解に努め、規律を重んずる明朗な社会人としての基礎を養成し、次代をになう少年の健全育成をはかることを目的とする」を理念としてボランティア活動をしている組織である。自分が審判として所属している支部は愛知県東支部で、主に東三河地方の豊橋、岡崎、豊川などを活動拠点とし、小学部9チーム、中学部7チームの計16チームで活動している。

11月【第72号】 ジャッジメント

野球の審判をするようになったきっかけは、自分が野球に対して興味があったのと、子供に何かスポーツをやらせたい、それが豊橋では身近なスポーツの野球が結びついたのが一番大きいと思っている。自分の周りで少年野球に携わっている指導者の先輩方も、同じようなきっかけが多いように聞いている。豊橋は少年野球の盛んな地域で、小学校単位で軟式野球が33チームもある。1昨年あたりから中学校も部活単位からクラブ活動に移行しており、より盛んになっている。以前は自分も息子の関係で軟式野球の審判をしていた時期もあったが、息子が中学へあがると同時に、ボーイズリーグの豊橋スカイラークスというチームに所属する事になった為、自分も自然に軟式野球から硬式野球に目が向くようになっていった。試合に同行して見学をしたりしていると、審判の経験がまがりなりにもあると、経験のある先輩諸氏から誘われたのがちょうど10年前のころである。

審判を進んでやる人はなかなかいないもので、どこの組織でも苦労しているのが現状のようだが、いざやってみると結構面白いものである。審判を10年もやっているといろいろな事もあるが、15年や20年も審判に携わっている先輩達がおるので10年ぐらいはまだまだと言えそうだ。【審判は正しいジャッジをして当たり前、間違えると大きなやじが飛んでくる。】まことに因果な趣味であるが、子供達が一生懸命に試合に取り組む姿を見ると、自分もがんばって審判をしなければいけないなと思ってしまう。このような気持ちは、審判員の皆さんが同様の気持ちを持っており素晴らしい。試合後の飲み会などではその日の選手のファインプレー、自身のジャッジの反省点や失敗談に盛り上がる。

駆け出しの頃、名古屋の熱田球場で大きな失敗をやってしまったことがある。一塁の塁審をしていた時に、打球が一塁ファールラインぎりぎりに上がった。打球は塁審をしていた自分の真上にきた為、避けようとした自分の方向へ、その打球を取ろうと一塁の選手が追ってきた。二人はお互いに避けようとした為、自分はボールが落ちる場所を見失ってしまった。瞬間にファールかフェアーのジャッジをしなければならない為、フェアーと判断しジャッジをしたが、誰が見てもボールは明らかにファールラインを割っていた。球場観衆からは大ブーイングの嵐、ランナーがいたため守備側ベンチからは監督が抗議に出てくる。自分の頭は真っ白になった記憶がある。その場は責任審判員の裁定でどうにかおさまったが、守備側のチームは負けてしまった。思い出すと今でも冷や汗が出る思いであるが、先輩の審判諸氏も少なからず失敗を経験しているようなので安心する一方、【プレイをいい位置で見るかの判断がいかに大事か】を毎試合思い知らされている。

東支部の大会は2月末の春季大会から11月初めの豊橋ライオンズ大会まで、他支部への遠征を含めると殆ど毎月のように試合が組まれている。審判も地元のチームが他支部へ遠征する場合は、審判同士の交流も含めて協力するようにしている。自分の審判員としての心構えは、ボーイズリーグの推奨する、打つ、走る、守るの、スピードある積極野球を目指せればいいと思っている。ダイヤモンドの中で汗を流している子供達の姿は素晴らしい。機会があれば応援に来て下さい。中日スポーツに試合予定が載ります。

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