【三和新聞】129号

2011-09-01
第129号 走り続ける・・・
writer:新妻 吾郎

ある日~突然!『四十肩』になった。左肩が上がらない。ある日~突然『その日』は来るらしいよと、聞いてた通りの突然だ。そこそこ運動はしていたつもりだっただけに~カナリのショックだった。更に右腕は去年から頸椎の椎間板ヘルニアから来るシビれで、小指の先から右肘にかけて絶えず電流が走るが如くピリピリとしている。これまたツラい。満身創痍でアップアップしそうなくらい~♪確実にオッちゃん化・・・至る所にガタがきている。さて『ニワトリが先か?タマゴが先か?心が先か?体が先か?』・・・昨今の予想を超える未曾有の経済危機や大震災・・・ぶっちゃけ・・・少々、汚れた。心身共に汚れた『心と体』その【命の洗濯】をしに、北の大地に私はまたもや旅立った。まぁ~所謂『現実逃避の言い訳』ともいう。

9月【第141号】 走り続ける・・・

今回、旅の相棒は~設計のO氏と最愛なるハーレー子ちゃん♪バイクに乗り始めた頃から『いつかは』と、ずーっと夢見てきたHARLEYでバイカーの聖地!北海道を走る・・・男のロマンである。(まぁ~最近は女性も多いが)新潟港からフェリーにて北上。最近のフェリーは本当ゴージャスだ。ジャグジーにサウナ、大浴場に映画館まである~豪華客船並みだ。18時間ほど揺られて苫小牧港に着岸。ゆっくりと1800CC超えのV型ツインカムエンジンを始動。タラップを静かに降り、聖地☆上陸。スピーカーからは『イージー・ライダー』の『Born To Be Wild』をガンガン流し、ピーター・フォンダに成り切って心地良い振動と共にエキゾーストを轟かせて走り出す。←まんまやないかぁーい!と自分にツッコミを入れながらネ。走り出せば解る・・・やっぱり北海道はイイ。最高である。

札幌では学生時代の仲間と飲み明かし、美瑛ではパッチワークカラーの隆起する丘に暮れる夕陽を見つめ、勝手に自分の名前をつけた樹木と挨拶を交わし、斜里では偶然~私が恋のキューピット役になってしまった御夫婦と連絡を取り、知床の野生動物たちと触れ合うも事故りそうになり、羅臼峠では聾者のハーレー軍団とテール・トゥー・ノーズのバトルと熱いドカンとデカイ♪ピースサインを心通わせながら送り合い、あのハーレーのオッさんの影を追いながら、今は自分もハーレーのオッさんやんけぇ~♪と、ブラインドコーナーを牧草ロール横目に駆け抜けた。また佐呂間や野付や納沙布~果てには襟裳と突端好きの先っぽ好きは、何かを制覇した気分になりたいがためか探求し続け、神が宿る摩周湖では、人を信じられなかった悪い心がすれ違いを呼び~悔やみ切れず・・・ニセコでエクストリームスキー第一人者の方と奇跡的な出会いを果たした。冒頭でお伝えした両腕の不自由さは変わらず、ハンドルに手を伸ばすことがキツかった故~総重量500kgオーバーで取り回し苦労の絶えない直線番長マシンの高い直進安定性に身を任せ、オートクルージング機能を使いまくっては出来うる限り~手放し腕組み状態で走った。←アンタ何しに行ったんや。しかし、土の匂いや草木の匂い~牧場の匂いから『命の匂い』を体中に吸い込んで【命の洗濯】して来ました。ありがとう。『天に続く道』から夢は広がり次はアメリカ横断!そして世界一周か♪←イイ加減~怒られるぞ。

実は・・・天候は半分くらい~雨でした。いつもなら~大抵は晴れる晴れ男がハーレー乗ったら晴れなかったみたいな(寒)「会社休んでいくからだ!」という声が北海道まで届きましたよ。普段の行いがモロに出た天候か?なので、修行僧が如く~ズブ濡れのドブねぇーずみの『リンダリンダ』的な感覚。←解る人いるか?ただポジティブ・シンキングすれば~叩きつける雨に身を投じて全ての【毒】を洗い流してもらっているような・・・。今、癌と戦っている恩師のことを思いながら走った。心の病と闘っている人を思いながら走った。出張や出向先、休み返上で働いてくれている仕事仲間を、会社を辞めて新たな道に進もうとしている仲間を、震災に遭われた親戚や知り合いの方を、盆に墓参りにも行かず~さぞ怒っているであろう両親を、最愛なる息子のことを、そして~この先行き不透明な情勢の中を走り続けなければいけない会社のことを・・・。今回、2007年から08年に掛けて書いた三和新聞を読み返してみて、自分の文面を思いっ切り使い廻すが~『自分ではどうにも成らない事が人生には訪れて、それらをどう受け止めて、どう前に進むかが大切』と。その時と状況は違えども~改めて本当にそう思う。そして凛と構え、男らしく!堂々と。そして何よりも俺らしく、俺らしく。これから起こり得る全ての事に~いつもドカンとデカイ♪ピースサインを俺は送り、そして走り続ける。

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