【三和新聞】130号

2011-10-01
第130号 上を向いて歩こう
writer:神谷 敏紀

ド・ド・ド・ドッピューンのトシちゃんでーす♪・・・さて、9月7日に紀伊半島を襲った台風12号の豪雨は、行方不明者と死者を合計109人という、今までの台風ではありえない数の被害を出し、孤立してしまった奈良県十津川村の報道をテレビの画面で見ると、3月に発生した震災と変わらないものを感じます・・・。

10月【第142号】 上を向いて歩こう

今回の災害で土砂災害という津波とも地震とも違う災害の場合、どこに逃げたり、どんな判断をすれば良かったのかという疑問が浮かびます。避難勧告が出た時、津波ならば山のような高い所に避難する!と学びました。でも雨や風、土砂崩れは?上から横から、どこから来るのか分からないので、どう対処すれば良いのでしょうか?今回、被害に遭って助けられた方からのコメントでも「どうして良いか分からなく迷いました。」と言っていました。そう言われればそうです。今年に入り、日本だけでも地震の数と大きさ、津波や台風そして世界でもハリケーンなど・・・ありえない大きさのものが続いています。この現象に対し私たちにできることは、いざという時に対処できる知識と気力と体力を一人ひとりが備えておくことではないでしょうか。『何が起こるか分からないのが人生』とよく聞きますが、今年に入ってまさにそんなことばかりが起こります。何に対しても対応できる術と、動じない心と、どう素早い行動をとるのか準備をしておきたいものです。

ちなみにトシちゃんの故郷は、銀座は銀座でも台風銀座沖縄。通り道に当たるため毎年決まって襲来するので、思うにかなり”台風慣れ”している部分もあるかも知れない。ほとんどのウチナーンチュ(沖縄の人)が必ず台風時の朝に確認する事があるんです。それは ”一体今日はバスは走るのかどうか?”という事。確認方法はいたって簡単で、テレビをつけて画面下のスーパーで流れる台風情報をチェックするのみ(ラジオの場合はDJが数分おきに同じ情報を放送します)。それはちょうどこんな感じの感情連鎖が働く具合。台風→バスが止まる→会社、学校お休み!台風銀座沖縄ならではの常識・・・?更には強烈な暴風雨にもかかわらず、沖縄人は台風は休みの日(?)と捉えて結構楽しんでいる人が多いかと思います。まず、映画館や、デパート、ショッピングセンターがとても混む!レンタルビデオのビデオがほとんど『レンタル中』になる。・・・私の小さい頃は、台風が来るとワクワクして、停電の中ろうそくに火をつけて過ごすのがとても楽しみだったものです・・・。

沖縄では台風以外でも1~2月の風は強く、普段から強風への対策を行っています。 まず看板などのアングル(支柱)はしっかりとしたものを使い、ボルト止めをしています。ただ、潮風により錆び付いてガタが来ているものも多く、台風時には飛んでしまうことがあり、もちろん道路標識などは内地のものよりも太い支柱が立てられています。住宅もコンクリート造りが増えましたが、実家のように木造りの赤瓦は(魔よけのシーサー付き)漆喰で固めて飛ばないようにしています。雨戸も立て付けが悪いので雨戸を閉めた後、板を通し釘で固定し飛ばないように手伝っていたのを思い出します。日々の生活の中で根付いた当たり前の防災準備が、台風の人的被害を出さないものと思います。大きな川、高い山が無い故郷と自然環境が違いますが・・・日ごろから私自身も困難に直面したとき対応できる術と、動じない心と、どう素早い行動をとるのか準備をしておきたいものです。

最後に台風12号、東日本大震災において、被災された方に心よりお見舞い申し上げ、1日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

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