第261号 薬と傷だらけの人生・・・

2022-09-30
第261号 薬と傷だらけの人生・・・

writer:新 妻 吾 郎

 少し前の話だが、7月11日(セブンイレブン)で私は54歳になった。翌日の12日には愛娘の莉來(りら)が1ちゃいになった♪いやぁ~メデタイ!目出度い♪自分の誕生日よりも、やはり娘の誕生日は心から嬉しく!感慨深い。しかし、私も54ちゃい…『サザエさん』でいえば~磯野波平さんと同じ年だ!…違った意味で感慨深い。因みにワカメちゃんは9才で~莉來1ちゃい…色々な意味で感慨深い今日このゴローである(寒)。さて、54歳にもなると~体はガッタガタである。私の場合、10年前に頚椎(首)のヘルニア手術をし、8年前には血圧が260にも上がり東名高速で~バイクの上で気絶して死にかけた。それから顔面神経麻痺になり帯状疱疹も出て、また入院。近年では痛風となり糖尿病となって着実に『成人病』のステップを踏みつつ、この6月上旬に腰椎のヘルニア手術を受けたのである…。

 

 10年前の頚椎(首)のヘルニア手術にて『三種の神器』ではないが3種の『痛み止め』と、それに伴う胃薬等々…1日に25錠もの薬を飲む事となった。朝10昼7夜8錠ってな感じで…もっと細かく言うと7時・15時・23時と8時間毎に飲み、8時間×3回で24時間をカバーリングしているのである。なので!8年前の事故時も『お薬手帳』を見せれば「これだけ飲まれているならば痛み止めを足す必要はないですね。」と。顔面神経麻痺も帯状疱疹の時も同様「これだけ飲まれているなら」と…一石何鳥の薬やねんっ!と言いたい無敵のお薬様!この忘れっぽい私が1日も欠かす事なく飲み続けられるのは~飲み忘れると体が【途轍もない痛み】で教えてくれるからである。しかし、1錠…また1錠と半年おきに減らしていって1日あたりに飲む薬を19錠まで抑えたところで、やれ痛風だ!糖尿病だと『成人病』なるモノが怒涛の如くやってきて~またそれに伴う薬が増えて…今現在、1日あたり25錠。…サイコロ振って人生ゲームの『ふりだし』に戻った気分である。

 痛風の時もそうだったのだが、そんな無敵の『痛み止め』お薬様を飲んでいるお陰で?風が当たっただけでも激痛の痛風が~全くもって痛くない!やがて足首から象さんか!と思うほどパンパンに浮腫(むく)みだしてきて「なんじゃこりゃ!」←松田優作さん調。となって病院へ駆け込むと『痛風』と診断結果が。ホント…イイんだか悪いんだかの~お薬様である。それで、腰の方も昔から『プチギックリ』と命名するほどの~立てなくなるほどではないが~『プチギックリ』を繰り返し、『プチプチ』が増え続けて「ちょっと病院、行ってくるわ…」と行ったら「よくここまで我慢できましたね!」とレントゲンでハッキリと椎間板が飛び出ていて神経節に刺さっている画が!…お薬様々ではあるが~即入院!即手術!という運びになったのである。手術当日!担当執刀医が「今回、腰椎の4番と5番の間の手術をするのですが…よく診ると3番と4番の間もあやしくて…多分10年はもたずに、また同じ手術をする羽目に…」「なら!一気にやっちゃってよ!」と私は伝え、全身麻酔で眠らされ~約2時間半の手術は無事終了。腰を縦に15㎝ほど切った手術痕が残って…まさに傷だらけ?の人生なのである…。

 手術は麻酔が切れてから~【地獄】の始まりである。点滴に尿管!ドレーンに弾性ストッキング…とにかく全身が管だらけで『不自由』そのものだ。更に!夜になると人間も動物なので活発になる。「ワァーワァー!ギャーギャー!」うめき声や唸り声が静かな廊下に響き渡り…まさに動物園!ナイトサファリ状態で~眠れない。2日目にはチョット立てるようになったが…立っても座っても横になっても~とにかく!ただただ痛みに耐える日々で(院内では、いつものお薬様を使えず、処方される痛み止めだけだったので)…やはり眠れない。もう気が変になりそうである。追い打ちをかけるように向かいの部屋には「痛え~!痛ぇ~!」と朝から晩まで叫び続ける…通称『雄叫びジジイ』と名付けた輩に、もう怒りは頂点に達し「本当に痛い時は声も出ねぇ~んだよ!声、出ねぇ~ようにしたろか!」と言いたかったが~そこは54ちゃいのオ・ト・ナ♪…ジッと我慢の子であった。(『子連れ狼』より抜粋。←子供か大人かハッキリせぇ!)

 とどのつまり…詰まっているのは~痛みやストレスもそうだが『大の便』である。1日に3回は出る男が4日も出ないと流石にキツい…。座薬は一番可愛いと思われる看護師さんに頼んだ。(この歳になると辱(はずかし)め?を受けるなら~可愛い子である。←キッパリ!)そして!2度も座薬を入れてもらったのにウンともスンとも~ウン〇が…(お食事中の方!すみません!)苦しみ疲れ果てた私に、その可愛い看護師さんはニコっと笑って(マスクでよくワカランが)可愛い声で「それじゃ~ほじくり出しましょうか♪」と一言。「え~!その一言で~出るモンも引っ込んじゃったよ!」「大丈夫ですよ!慣れてますから。苦しまれている患者さんがドーン!と出てスッキリされると、こちらも達成感で嬉しくなるんですよ!変な話、プ~ンと匂いがするとアッ!誰々さんのだ!って、ソムリエみたいなんですよ♪」と、またニッコリ♪…ホンマの天使や♡と思ったが~結果、私は丁重にお断りをして自力で翌日に出したのであった。…しかし、家族でもしてくれるだろうか?と思うような事を他人の方がして下さる…本当に、尊いお仕事や…と感銘しつつ~現在に至る。そして改めて人の役に立つ、尊い仕事を私も遂行しようと身を引き締め…今日も1日が始まる。

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