第244号 カーボンゼロ

2021-04-30
第244号 カーボンゼロ

writer:太 田 敏 浩



 大河ドラマの【晴天を衝け】にハマっています。渋沢栄一をモデルにした作品ですが、最初に名前を聞いた時には何処かで聞いた名前だけど誰だっけ?でした。そういえば皆さん大好き一万円札の新しい顔の人でしたね。新紙幣について調べてみると2019年の4月に発表になり、発行は2024年の上半期の予定だそうです。そんな渋沢栄一についてですが、よく知りません。番組の紹介によれば近代日本の株式会社やインフラの礎を築いた大実業家のようですが、詳しい事は調べずにドラマを楽しむ事にしました。

 ドラマは江戸幕府の15代将軍徳川慶喜と農家の渋沢栄一の生活が時代背景を交えながら同時進行で進んでいきます。徳川慶喜と渋沢栄一はどういう経緯で出会い、どのように関わり合うのか?徳川慶喜とはどんな人物だったのか?農家出身の渋沢栄一はどのように大実業家へ大成していくのか?といった興味が尽きません。また、江戸では外国から持ち込まれたコレラが蔓延したり鎖国時代から開国に向かう中で開国派と鎖国派、攘夷(じょうい)派と幕府派などに国が二分されたりしていきます。そんな幕末の日本と現在の終息しないコロナ禍と【カーボンゼロ】に本格的に取り組むこれからの日本。この正解の分からない混沌とした未知への取り組みが幕末とよく似てる様に感じて、時代劇でありながら現代劇の様に感じています。ドラマではこれから困難を乗り越えて明治維新を成し遂げていきますが、これからの日本の希望に繋がると信じてドラマを楽しんでいきたいと思います。

 さてカーボンゼロについて4月22日に行われた気候変動サミットで菅首相は2030年までに『46%温室効果ガス削減』の目標を発表しました。4月22日は70年代にアメリカで発祥した『アースデー』です。『アースデー』は何もない日に地球のことを考えましょうという事から始まったそうです。もしかしたら2021年4月22日が将来カーボンゼロの記念日になるかもしれません。最近は再生可能エネルギーやEVシフトに加えて二酸化炭素を燃料に変える技術や植物由来のバイオ燃料、人工光合成で二酸化炭素から酸素を作る技術などカーボンゼロに関連するニュースが多くなりました。私は旧世代の人なので内燃機関が無くなる事が残念で堪りません。個人的な願望としてバイオ燃料と二酸化炭素の内燃機関とか出来ませんかね?車はともかくバイクは内燃機関を続けてもらえませんかね?内燃機関の味わいが消えていくことに未練タラタラです。明治維新の為に戦った武士が武士を捨てられず西南戦争で散った思いがほんの少し分かる気がします。

 我が田原市は今年の1月に『たはらゼロカーボンシティ』を表明しました。(今さっき検索にヒットして知りました。)我が家の前の海はワカメが取れるのでブルーカーボンで貢献出来そうです。(ブルーカーボンとは海で吸収される炭素のことです。沿岸の海藻が吸収した二酸化炭素は地中に蓄えられます。)そんなワカメも昨年は全く取れず、地球温暖化を実感しています。温暖化を自分自身に例えるなら太り始めたなと感じて食事制限しても『時既に遅し』で体重の増加は、そう簡単には止まりません。正に『今そこにある危機』だと思います。既に地球もその段階に来ているのかも知れません。

 今年の新入社員のレポートにカーボンゼロについてのディスカッションの内容がありました。結果は実現可能でまとまったようで心強く思いました。あの日皆さんのディスカッションでまとまった【出来る】という気持ちを忘れずに、これから立ち塞がる様々な課題に取り組んでもらいたいと思います。これから先は会社の仕事内容も変化していくかもしれません。【出来るという気持ちの先】に色々なアイデアが浮かんできます。そのイノベーションを楽しんでください。来たる【カーボンゼロ】の目標を掲げた2050年は29年後です。新入社員の皆さんは、これからの新しい社会を作り上げる世代です。2050年、皆さんが中心になって社会を動かして行くことでしょう。渋沢栄一の様に【晴天を衝く】勢いで未来を見据えて頑張ってください。   

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