第239号 老化と進化

2020-11-30
第239号 老化と進化
writer: 小 谷 野 一 彦  

 師走を迎え2020年も残りわずかとなりました。毎年、清水寺で発表される『今年の漢字』は恐らく『密』ではないでしょうか?今年報道されている中で一番関心が高く、終息の気配がないため来年も話題の中心となりそうな『密』のコロナですが、我が家ではそれをもしのぐ大きな話題!いや、出来事がありました!それは愛娘が授かり産んだお孫ちゃんの誕生です!昨年末、電話で妊娠の連絡があった時は想像したこともなかったので大変驚きましたが、同時に最っ高ぉ~の喜びを感じました!そして待つこと8ヶ月!陽の光が最も輝き熱い8月に元気な男の子が小谷野家に誕生しまして!同時に超バカ爺さんこと【カズ爺】も誕生いたしました!

 

 ホント次元を超えた可愛さを実感しています!娘が帰省中には家に帰ることが楽しみで楽しみで、出掛けることが大好きな私が「早く家に帰りたいっ!」と思うことに驚き!帰るとまず『抱っこ&スリスリ』そしてお風呂に入れたりオムツを替えたり至福の時間です!赤ちゃんは本当に、いいですね♪ものすごいスピードで成長しているためドンドン出来ることが増え、それを見るのも触れるのも刺激となり、両親と妻と私の大人4人で暮らしていた静かぁ~な『色』の無い家が一瞬で明るくにぎやかで虹色の家庭に大変身です!今日は昨日より手を強く握れるようになったとか、さっきより大きな声が出るようになったとか、俺を見て笑ったとか泣いたとか・・・色々な成長を見るのは未来に繋がっていくようで本当に楽しいです。米寿近い両親も、ひ孫の誕生に大喜び!若さは取り戻せませんがタップリの笑顔を取り戻し、ひ孫のいる生活を楽しんでいるようでした。

 

 ただ一方では、ひ孫の成長ぶりに相反し両親は体の衰えを実感するのか「耳が遠くなって、ひ孫の泣き声がよく聞こえない!」と嘆いたりすることが多くなったようにも見え、そんな事を妻と話していると、妻からこんな話がありました。「人は生まれてから死ぬまでずっと進化するんだよ!シワやシミ、白髪などを見えにくくする『老眼』、聞きたくないことを聞かずに済む『老人性難聴』、嫌なことをスグ忘れさせてくれる『もの忘れ』それらは【進化】であり必要な事なんだヨ!」と。・・・ものは言い様とも思えますが、進化を調べると類義語では成長とありますので老化もひとつの成長なんですね。また『衰え』と考えるより『必要な進化』だと捉えた方が明るい未来へ向かっている感じがします。毎日私の両親の進化や成長を目の当たりにしている妻から聞いたこの話には、本当に頭が下がり感謝で涙腺がゆるみました。【老化=進化】なんて聞いたことありませんでしたが、これはガツンと腑に落ちた超納得の話です!・・・私は、超超超!愛妻家です♪

 

 生まれたての赤ちゃんは生きるためにスグ呼吸へと進化し、本能だと思いますが口を動かしミルクを飲むことを覚え、初めて耳にする言葉だったのですが『ハンドリガード』という自分には手があることを認識し、自分の意志で興味あるものに向かって手を動かすことを覚えて、どんどん成長していきます。老化はその反対で昨日できたことが今日は出来なくなっていくことだと思っていましたが、妻の話を聞き老化というのはひとつひとつを取捨選択しながら効率よく生活できるように進化していることだと考えることにします!但し、楽しく生活できるよう老化という進化のスピードを遅らせることも大事です。また、赤ちゃんが興味のあるものに突進していくように新しく世に出てくるものを積極的に使いながら、昔恩師が言われていた「社会とのつながりを持ち続けた生活をおくる。」ことが出来るように・・・なんか言っていることが引退する『爺』みたいですね!【カズ爺】だけに(笑)

 

 生活様式が大きく変化している中、昨今は三和機工も国際色が増して日本人を含め5ヵ国の方々と、ひとつ屋根の下で仕事をしています。日本人だけでもジェネレーションギャップを感じることが多々ありますが・・・国民性の違いは文化などの育ってきた『環境』がまるで違うため、それ以上に考え方などの『カントリーギャップ』が生じるのではないかと思います。どこぞの国が如く『分断』とならぬよう、それぞれの文化や環境を理解し合い、そして大切にして、今の時代に合った『進化』そして『成長』が必要だと感じています。私自身も四捨五入で還暦になる年となり色々なギャップを感じますが、多様化する世の中に乗り遅れないよう、未来に繋げてゆける会社を造る一翼に成りたいと存じます。

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