【三和新聞】173号

2015-05-01
第173号 逆走
writer: 市川 五規

行楽シーズンの五月となり、皆さんもいろんな所へ車で出掛けられるでしょう。その場合、高速道路も使われるかと思います。今回の記事は、私が体験した『高速道路の逆走』について書きたいと思います。

1505挿絵

行楽シーズンの五月となり、皆さんもいろんな所へ車で出掛けられるでしょう。その場合、高速道路も使われるかと思います。今回の記事は、私が体験した『高速道路の逆走』について書きたいと思います。

あれは昨年の十一月二十九日の土曜日の事でした。私達夫婦は東京に遊びに行きました。
 家内はファンキーモンキーベイビーズのファンでありまして、八王子にファンモンミュージアムという所があり「是非そこに行きたい♪」と、かねてから言っていました。私は競馬が好きですので、府中の東京競馬場に行きたい♪と思い、当日車を走らせました。(最近は、遠方に二人で行って現地で別々に自由行動するのが我が家の遊び方となっています♪)東京に向かっているその道中で「最近、高速道路の逆走が多いよな~」と話しながらも八王子に到着して、家内を駅で降ろし、お互い日没まで自由気ままに遊んでから帰路につきました。八王子ICから中央道に入り、圏央道 (首都圏連絡自動車道)に入り高尾山ICを順調に通過し100Km/h位のスピードで走行車線を走行していたら “なんと”前方に見えてはいけないはずの自動車のヘッドライトがこちらを向いているではありませんか!私は驚いたと同時に「ヤバイ、逆走車だ!」と思い、すぐに左側の路肩に寄せながら速度を落としました。すると、ちょうどそこがインターチェンジの合流地点でしたので、本線と支線が合流する手前の斜線の部分、いわゆる安全地帯に車を止める事ができました。一方、逆走車両のほうは、追い越し車線側の路肩右端いっぱいに停車していました。私は、その車に向かって「あんた! 逆走だよ!!」と叫びました。すると窓から女性が「間違えちゃったの~、どうしよう~」と悲痛な声で訴えてきました。私は『どうしよう~って言われても、知らんがな~』と思いながらも、家内に110番するよう指示し、自分は発煙筒を手にとり車外に出てから点火しました。

ここで余談ですが・・・皆さん、発煙筒の点火の方法はご存じでしょうか?昼間ならば説明書を読めば判りますが、発煙筒を使用するのは大抵夜だと思われます。説明書きは暗くて読みにくい状況だと思われるので、ぜひ一度自分の車の発煙筒を外して説明書を読んでおいてください。(えっ? 私がなぜ暗い所でスムーズに点火できたかって?)それは若かりし頃に遊んだ事があるから・・・。(と言っても発煙筒を持って暴走していたわけではありませんので・・・)

話を元に戻しまして、私は後続車に知らせようと点火した発煙筒を上にかかげて左右に振りながら左側の路肩を走り始めました。するとどうでしょう、後続車があまり速度を落とさずに、逆走車の止まっている追い越し車線側にサーッと寄っていくではありませんか。これでは事故を余計に誘発させているようなものです。自分が運転していても左側で非常信号があれば右側に寄りますよ。
 私は持っている発煙筒を背中で隠し五十m位後方に走り、後続車が途切れた時に追い越し車線側に投げました。すると今度は何という事でしょう、ほとんどの車が私のいる左側に寄ってくるではありませんか。『ウヒャー、轢かれる~』と思いながらも路肩ギリギリの所を歩き、それこそ命からがら自分の車に戻りました。そこでは家内が110番していました。現在地のインター名が判らないと言って電話を私に変わったのですが、自分も初めて通る圏央道、ただの通過点のインター名など知るはずもありません。

すると、相手から「GPSで探知できました、すぐ出動します。」と言われ、便利な世の中だな~とおもいながらしばらくすると、パトカーが到着し、逆走車をUターンさせて私達の所へ女性と警察の方が来ました。女性の方は何度も何度も感謝の言葉を言ってくれました。
話を聞くと、この女性も初めての圏央道、初めてのインター(相模原愛川IC)で、料金所を過ぎた分岐で方向を間違えてしまい、本線に合流した時にたまたま後続車両がいなかったのでUターンしたとの事でした。間違いに気付いた時にパニックになったのだろうと思われます。しかも、ダメ押しに携帯を家に忘れて来たと言います。

連絡もとれずに一人でじっと車の中にいたのですから、相当怖かっただろうに・・・と思います。

奇跡的に女性も自分も家内も、事故無く怪我も無く本当によかったと思います。後日、ネクスコ中日本さんから電話がかかってきて、感謝状を贈りたいとあり、今年の一月九日に夫婦連名にて(あいつ、電話しただけやで~)と思いながらも、仲良く頂いてきました。

今回改めて思う事は普段の生活、仕事でも間違いは誰にでもある事ですが、その時にパニックにならず、いかに冷静に判断出来るかが本当に大事だと思いますし、そう出来るようにありたいと思いました。

PS ドライバーを女性と書きましたが、七十歳のお婆さんですから~。決してスケベ根性で行動したわけではありませんので。

 

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