【三和新聞】82号

2007-09-01
第82号 同級会と地震

去る7月16日午前10時過ぎ、新潟県中越地方をマグニチュード6.8の大きな地震が襲いました。特に日本海に面した柏崎市は甚大な被害に見舞われています。いわゆる「新潟県中越沖地震」です。連日テレビや新聞で被害状況が報道され、倒壊した家や建物、陥没や隆起で通行不能になった道路。電気、水、ガス、ライフライン3点セットの切断。死亡や怪我人の数、非難所でのつらい生活状況等々見るにつけ地震は本当に怖いし、起きてほしくないと思います。「地震、カミナリ、火事、親父」で一番が地震というのも納得です。近い将来太平洋側に東海地震があるとも言われていますが、本当にあんな大きな地震が起きたら、我が家、わが身、わが家族、三和機工と従業員とその家族はどうなるんでしょうか。あれこれ考えると限りなく心配になります。先日、近所の床屋に行って地震の話しになったら、床屋のおやじが散髪しながら「この辺りはねえ~、大昔は海だったんだよ、だから地盤が悪いから大地震が起きたら一発で終わりだよ。この家は築30年だからまずもたないな~」と言う。「ほんとかな~」と聞きながら、「我が家はまだ築17年だし、倒壊することはないだろう」などと思いながらもやっぱり心配になる。

9月【第94号】 同級会と地震

地震直前の7月14日、15日、故郷の同級会に行きました。(新潟県津南町…地震発生地の中越地方)今回は、社会保険庁問題で騒がれた保養施設「グリーンピア津南」での1泊2日の同級会です。小学校入学から中学卒業まで一緒に勉強し、遊んだ同級生ですが、中学卒業後大半の人が故郷を離れ都会や他県に出ています。卒業後52年経った同級会で、同級生108名中51名の参加がありました。当然のことながら年齢は皆66歳67歳ですが、参加して来る人は皆すこぶる元気、この時ばかりは気分は中学生当時の少年少女に戻ります。人間の記憶力や脳の発達は20歳位迄で、その後はだんだん衰える一方とも言われますが、そのせいか今では昨日の事でも思い出せない事があるのに不思議と小学生、中学生の頃の事は鮮明に記憶がよみがえります。9年間同じ顔ぶれで机を並べていた同級生です。当時の懐かしい出来事や卒業後の波乱万丈、喜怒哀楽をネタに飲んでいると際限がありません。中学生の年頃は思春期でもあり異性が気にかかる年頃です。初恋らしき感情を抱いた相手も同級生でした。その人が同級会に参加するのか気になります。会場に行って、その人も元気で参加していることがわかると、ほっとして何となくうれしくなります。農作業で日焼けした顔に精一杯にお化粧し、おしゃれした姿を見ると何歳になっても男も女も異性を意識するものだと改めて思います。

ところで、何で「同級会と地震」なのか・・・?それは、今回は同級会が終わった翌日、7月16日に「中越沖地震」にあいました。さかのぼって、3年前の平成16年10月23日、今回と同じ新潟県中越地方でマグニチュード6.8の大地震が発生しました。「中越地震」です。特に壊滅的な被害を受けた「山古志村(やまこしむら)」や、地震から4日後に2歳の坊やが崖崩れの下から救出された事など連日大きなニュースになりました。実は、この時も故郷での同級会だったのです。町から10km程山奥に入った震源地に近い「松之山温泉」の温泉旅館でした。夕方5時半から大広間で集合写真を撮り、幹事の挨拶、乾杯も終わり、さあ~宴の始まり~と思ったその時、午後5時56分です。強烈な揺れと建物のきしむ音とみんなの絶叫と同時に電気が消えて真っ暗になりました。「お客さん!急いで表に避難してください!」と言う女中さんの叫びにうながされて旅館の外に飛び出しました。暫く経っても小さな揺れは続いていましたが、みんな浴衣1枚の姿ですから寒くてたまりません。暗い屋外で寒さと不安で身震いしている状況でしたが、旅館の主人が「中のほうが安全ですから中に入ってください!この建物は2階までは鉄筋コンクリート造りだから絶対につぶれません、大丈夫ですから。」と言われて中に入りました。しかし、電気はつかない、テレビは映らない、携帯も繋がらない。山の中の温泉宿では外部の状況が全く判らないのでどうしようもありません。「・・・まあいいや!宴会をやりなおそう♪」と大広間にローソクを用意してもらいました。薄暗いローソクの明かりの中で、地震の興奮冷めやらぬ宴会は、めったに味わえない雰囲気で大盛会になり、忘れられない同級会になりました。翌、早朝になって地震の大きさ、被害の大きさが判って本当にビックリしました。「松之山温泉」は震度5程度だったそうですが、それでも、これほど大きな地震の揺れを体感したのははじめてでした。

3年ごとの同級会、次は今から3年後の平成22年です。その時には、また元気で参加できることと、今度は地震の無いことを願っています。

Copyright(c) 2009 SANWA KIKO CO.LTD All Rights Reserved. Design by 三和機工株式会社