【三和新聞】150号

2013-06-01
第150号 おふくろの味
writer: 彦坂 訓克

半年以上・・・前のことですが?好きな味噌ラーメンを食べようと思い、王道?の“餃子の王○”に行きました。お約束の餃子と味噌ラーメンを注文。しかし食べてみると何故だかいつもと違い、なんとも味が薄い!“王○”のラーメンも変わってしまったのか・・・。少しがっかりで店を後にしました。しかし始まりはここからだったのです!いつも昼食は、ウチの奥さんがお弁当を作ってくれます。そのお弁当の味付けが徐々に薄味に感じるようになり、奥さんが“僕の健康を気遣ってくれてるんだぁ♪”なんて初めは思っていましたが、そのうちに何を食べても・・・ほとんど味がしなくなってきてしまったのです!

6月【第150号】 おふくろの味

食べ物を見て食べているのでそれらしき味なのですが、たぶん目を閉じて食べたら何かわからないくらいで、まさかの・・・味覚障害か?と味覚障害の事を色々とネットなどで調べてみると、一番の原因としては『亜鉛不足』のようだ。どうして亜鉛不足に?さらに調べていくと自分なりの原因らしき事が見えてきて、亜鉛は少量だがタバコにも含まれていると云う。(皆さんはご存じでしたか?)私は、自他ともに認める?超ヘビースモーカー“です”。では無く“でした・・”。(過去形ですよ!)振り返ると味覚障害らしき症状が出始めたのは禁煙し始めて3ヶ月くらいたった頃なのです。“禁煙したらご飯がとてもおいしく太ってしまった”なんていう話は良く聞きますが、まさか逆パターンとは・・・。タバコには、“百害有って一利無し”なんて良く言われますが、私にとっては、大事な栄養素、亜鉛の吸収源だったようです。我慢して禁煙しているのに、こんな仕打ち・・・ひどすぎる!

奥さんにも協力してもらい、なるべく亜鉛を多く含む食事に変え、サプリメントなどで亜鉛を補充していくことにしました。2~3週間くらいで徐々に効果が出てきたのか、ほぼ、普通に戻ったかなと思えてきたときの事。T部長と一緒に昼食を取ることになり、二人であの始まりだった、味噌ラーメンを食べることになりました(違うお店ですが)。その味噌ラーメンは、すごく味が薄く“やっぱり、味噌系は味しないな!まだ直ってないんだ!”と思いつつ食べましたが、お店を出てからT部長の「味の無いラーメンだったな!」の一言に助けられた様な気がしました、“本当に薄かったんだ”このタイミングで紛らわしい店・・・なのでした。普段、当たり前で有ることが普通になってしまっていますが、その当たり前の事が欠落することによって普通の大切さの有難味を実感できる良い経験をしたと思います。

何を食べても薄味になってしまって、思い出したのがこの年になって恥ずかしい?いや、この年になったからなのか?“おふくろの味”でした。なかなか外食などでは食べられないのでは無いかと思います。皆さんにとっても、“おいしい”とか“おいしくない”とかではなく、とても落ち着く、食べ慣れた普通の味だと思います。私には姉が1人います。年に2回~3回くらい、姉一家と親父と集まる事が有りますが、ここ数年前から姉が作るご飯がお袋が作ったのか?っと思うくらい似ていると感じています。私の母親は、8年前に他界していますが、姉が引き継いでいる?たぶん、教わった訳ではなく、昔から私と同じように食べ、慣れ親しんでいるので似てくるのではないでしょうか?私は全く料理は出来ませんが、最近は夫婦で料理されている家庭は多いようです。

おふくろの味は、家庭の味に変わりつつも、それが“伝統”となって子に引き継がれ、やがて孫に引き継がれていく事でしょう。伝統というと少々大げさで堅苦しいイメージとなってしまいましたが、時の流れの中で味だけを守り続けていっても素材(食材)は変わり、作る人や環境も変わっていく。新たな良い物ををうまく受け入れながら、“本筋”の“味”を守り続けていくことが、大切な事だと思います。私も人生の後半に差し掛かりつつあります?が、これからも、家庭はもちろん、会社でも本筋の“味”、“三和機工のいい味“を大切に味わいながら守り続け、新しい材料(食材)と共に引き継いでいければと思います。

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