【三和新聞】103号

2009-07-01
第103号 生きるために
writer:小谷野 一彦

娘が入隊している事もあり、2年ほど前から本格的にボーイスカウトの団委員をする事になり、1ヶ月1回程度ですが所属する団の行事に参加しお手伝いをしています。ボーイスカウト自体は小学校の頃から知ってはいましたが、身近な物ではでは無く【いいとこのお坊ちゃまが入るもの】と偏見を持っていました。この記事を読んで頂いている皆さんの中で同じような偏見を持っている方がいるといけませんので、団委員としてボーイスカウトの紹介を少ししたいと思います。

7月【第139号】 生きるために

ボーイスカウトはイギリスから始まった世界的な教育奉仕活動で、携わっているメンバーは子供から大人まで全世界で1,600万人に上る団体です、日本では約17万人の団体となりかなり大規模な組織と言えます。活動の目的としては【自然の中で自立・友情・奉仕の心を育てる】とHPに書いてあります。(只今勉強中)活動組織としては、ビーバー・カブ・ボーイ・ベンチャー・ローバー・指導者と年齢毎に階級が分かれ、そのサポート役で団委員がいます。活動内容はビーバーからボーイの各スカウトの教育が中心となります。ただし学校の勉強とは異なりボーイスカウトの勉強は【生きるための力】を養う勉強・教育だと私は感じます。少し硬い話になってしまいましたので、紹介ついでについ先日1泊2日の野営キャンプへ参加しましたのでその時の事を少しお話します。

今回は2日目の朝からの参加であいにくその日は時折雨が強く降っていましたが今回はキャンプ場(施設でない場合が多い)で行っているため、トイレ・炊事場などの施設があり、意外と快適に過しているだろうと考えていたのですが、予想を大きく裏切られてしまいました。現地に到着すると、まず目に入ったのが木と木の間に張られていたブルーシートが目に止まり、その周りを見ても何処にもいつものテントが張られていない為、「もう片付けたのですか?早いですね」と聞いてみると指導員の方が「今回テントは張ってませんよ!今回のテーマはビバーク体験だから」・・・との事・・・。地面にブルーシートを敷き、屋根に同じブルーシートを張っただけ、それがテント代わり・・・。そして雨の中その中に寝袋だけで寝る!しかも小中学生だけ!凄い!凄いぞ君たちは!初夏とはいえ、キャンプ場内だとはいえ、近くに大人の指導者がいるとはいえ、蛇でも出たらどうすんじゃ~!そういう問題ではないけど、おじさんには無理っ!君たちはエライ!そう感動していると今度はなにやらイイ匂いが・・・なんと御飯が炊けていました!こんな雨降りに小枝を集めて火を起こし、飯ごうで御飯まで炊き上げるとは・・・本当にすごいよ君たちは!おまけに「小谷野さんご飯とお味噌汁をどうぞ!」・・・お前らいったい何処でどういう教育受けたんだよ!もう言葉に出来ましぇ~ん!日本の将来が心配だってTVでよく聞いたりするけど、こんな子供たちがいればまだまだ大丈夫!そんな風に感動しながら美味しく御飯をご馳走になり、その後は雨の中撤収作業をし団本部へ徒歩(5㎞)訓練という事で子供たちは徒歩、大人は安全確認のためPointまで車移動で帰途に着き無事に到着!お疲れ様でした!これで解散!と、いつもならそれで終わるのですが今回は等級UPの為の面接を行うとの事。今日の行動を見ただけで合格!そう言いたかったのですが、そういう訳にはいかないようで「野営・炊事・奉仕」何でも出来るスーパー小学生を「野営・炊事・奉仕」などほぼしたことのないヘナチョコ面接官コヤピ~が面接をするということに・・・(逆じゃない?)入室から退室まで10分ぐらいの短い面接ですが、皆緊張の面持ちで面接を受けていました。そして最後には、全員に合格が言い渡され無事等級UPとなりました!おめでとう!お疲れ様!

さて、こんな風にボーイスカウトの子供たちと接していると、私が子供たちに考えさせられる事が多く、包丁なんか持ったら危ない!火なんか扱ったら危ない!そんな風にチョッと何かあれば、自称親ばかの私は何でも手を出してしまい【子供の為に】を履き違えている事が多いことに気づきかされ、目先の事ばかりでなく【生きる為の知恵を絞れる、生きる為の工夫が出来る、生きるための行動を起こせる】こんな心構えを教えられる親(大人)でいたいと活動を通し感じています。大不況で先の見通しもつけられない状況ですが、後輩たちのために子供たちのために【知恵・工夫・行動】で未来に向けこの不況を乗り越えましょう!

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