【三和新聞】13号

2001-12-01
第13号 私のスーパーマン

突然ですが、私はジャッキー・チェンが大好きである。もうかれこれ小学校の1年生の頃からなので、25年間もファンなのである。考えようによってはコワイ。しかしジャッキー命なのである。当時、水曜ロードショーなどでジャッキー映画が放送されると、うちの商売柄、ベータマックスで録画をし、テープが擦り切れんばかりに何度も何度も繰り返し観たものである。今も新作映画がリリースされると必ず映画館に足を運び、星飛雄馬の姉のような気持ちでポップコーンを食べながら食い入るように観るのである。何故、飛雄馬の姉のような気持ちなのかは、ジャッキーも今年で47歳なのである。歳を数え、体力が衰えていくのと反比例にアクションはどんどんエスカレートするジャッキー映画・・・ファンにとっては複雑な心境なのである。

12月【第37号】 私のスーパーマン

しかしながら先日も『ラッシュアワー2』というクリス・タッカーと競演した映画を見に行ったのである。『2』というぐらいなので『1』もあったのだが、『1』は、あまり面白くなかった。なので期待はほどほどに、ジャッキーの姿を見るだけで満足よ!という気持ちで観に行ったのだが、これがなかなか面白い!ストーリーやアクションも前作を超えていて、清々しい気分で映画館を出たのである。なんて楽しく観れたのだろう!と振り返って考えてみると、映画の完成度の高さと、もうひとつソコには楽しい要素があったのである。実は、私が映画を観ている席の周りが、ほとんど外人さんだったのである。

5年前、NEW-YORKに住んでいた時もジャッキー映画を観に行ったことがある。ジャッキーファンではあるが、ジャッキー映画にストーリー性というモノはあまり無い。なので、語学がイマイチな私でも、全くOKなのである。それより何よりスゴイのは観客の反応である。本編が始まるので場内が暗くなったとたん、もうアメリカ人は映画の中にいるのである。そして、ジャッキーの背後に敵が忍び寄るだけで「Watch your back!」(後ろよぉ~!後ろなのよぉ~!)とスクリーンに向かって叫び続けるのである。ジャッキーが敵に倒されそうになるものなら「Oh oh oh my GOD!!」(なんてこったい!神様!お助けを!!)とハイテンションで客席から盛り立てるのだから否が応でもこちらのテンションも高まるのである。また、ジャッキーがトボけると、そんなに今の面白かったかぁ~?!というほど大笑いをするのである。しかし、結局、その笑い声にもらい笑いをしてしまうのである。アメリカ人(限定するのも何ですが・・・)はエンターテイメントを満喫する達人である。

そんな方々に周りを囲まれながら観た『2』だったので、楽しさが2倍になったのであろうと感ずるのである。さて、こんな話をしていると私はもうひとつ、忘れられない映画館の思い出が蘇ってくるのである。それは1985年『ロッキー4 炎の友情』という映画を渋谷の映画館で観たときのことである。当時、高校一年だった私はジャッキーはモチロンのこと、スタローンも好きだった。(別に浮気者でもホモでもない!)映画館内は満員御礼で私は立ち見だったのである。ストーリーはアメリカのロッキーと、旧ソのドラゴが戦うという米ソの戦いである。このドラゴ、最新鋭のハイテクコンピューターを駆使して鍛え上げられた殺人マシーンのようなヤツなのである。対するロッキーは雪山にこもり、丸太を引っ張ったりして身体を鍛え抜く、根っからのアナログ野郎なのである。さて、決戦の運びは中盤、いや終盤近くまでロッキーはメッタ打ちになるのである。あ~もう見てられないわ!といった感じである。シーンとした館内に不満と苛立ちでモヤモヤとした空気が充満し、爆発しかけたその瞬間!スクリーン前列にいた3~4人の外人さんが一斉に立ち上がり、こう叫んだのである。「Come on!ROCKY!!」「Go!go!go!!」一瞬遅れて右手の非常口の方から「いけぇ~!ロッキー!ブッ倒せぇ~!!」その声につられて場内のあちこちから次々と「そこだー!ロッキー!」「やれー!ロッキー!」「ロッキー!ロッキィー!!」もう大合唱である。私も喉が千切れんばかりに応援をした。ロッキーのパンチでドラゴがマットに沈んだ時なんぞはみんな立ち上がって、場内割れんばかりの拍手&歓声!まさに映画館が一体化したような、まさに3D映画感覚だったのである・・・。あれ以来、かなりの回数、映画館に足を運んだが、あのような【感動】には一度も遭遇したことがない。しかし、もう二度と遭遇しないだろうとは思いたくないのである。・・・日本人だって・・・【キッカケ】があれば・・・。

さて、話は戻るが私はジャッキーに会ったことがある。あれは私が中学二年、ファンの集いで後楽園ホールに会いに行ったのである。ファンの一人一人と握手をしてくれたジャッキー。私の順番が回ってきて感激と緊張の中、彼の手を握りしめながら「が、が、がんばって下さい!」と一言。彼はニコッと笑って「ド・モ・ア・リ・ガ・ト・ゴ・ジェ・マ・シ・タ」・・・あの声が私の耳に今も鮮明に残っている。ジャッキーは私にとって永遠のスーパーマンなのである。

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