【三和新聞】17号

2002-04-01
第17号 動けば雷電の如く

先日、山口県は下関に行って来た。何故に下関?と言われると、まぁ~とある関係で【中国の方】とお会いする機会があったからである。・・・中国地方のことではない、中国地方だけど、【中国の方】である。しかもカナリ偉い方なのである。奥歯に物が挟まった言い方だが、色々と事情があるので御理解頂きたい。さて話戻って、行った先は下関~この地を踏んだのは、かれこれ13年前、大学の仲間と夏休みを使って車で日本一周した時のことである。当時、下関は単なる通過点で夜中通り過ぎただけの記憶しかないのだが・・・歴史の深い街なのである。まずなんてったって私の崇拝する松田優作の出生地!巌流島はあるわ!国宝・功山寺はあるわ!かの高杉晋作の像はあるわ!耳無し法一の像もあるわ!壇ノ浦の合戦地だわ!伊藤博文が日清講和条約を調印した春帆楼があるわ!誰もがご存じ「ふぐ」の名産地でもあるのである。地元では「ふぐ」のことを「ふく」と呼ぶらしい。なんでも「福」という意味合いをかけているらしく・・・え?仕事!・・・しましたよ。・・・え?お土産!・・・しましたよ・・・今、お土産話。

4月【第41号】 動けば雷電の如く

新聞紙面、開けば必ず目に飛び込んでくる【中国】の文字。このところの中国の台頭、皆さんはどう捉えておいでだろうか。日本に比べ約26倍の国土面積をほこり、人口的には10倍以上の中国。ご存じの通り、日本の大企業は次々と中国に開発・設計の拠点配置をし、他品種少ロットから大量生産への展開もことごとく移行され、日本のもの作りの空洞化が叫ばれている今日である。この企業成長スピードは瞠目に値し、【脅威】としか言いようがない。さてどちらが長いモノとして巻くか、巻かれるか・・・それぞれの見解はあると思うが、今回は皆さんに中国の【生の声】を聞いて頂きたく、書き記した次第である。

今、中国では和製英語ならぬ中国日本語(?)で【カロウシ(過労死)】という言葉が外来語として流行っているらしい。何故ならば、今この中国台頭を支えている方々(20代から30代)の平均睡眠時間が3時間だというのである。前文でお話しした、その【中国の方】が中国の方々に「お金の貯蓄も大事なれど、健康の貯蓄もしなければ~。」と呼びかけているそうなのだが、その中国の方々の【生の声】は、こうである。「長生きはしたくない!70~80歳まで生きていても仕方がない!今の生活水準を変えたいんだ!人生は50年だと思っている!自分が死んでも中国人多いから大丈夫!自分が、【今】を変えたいのだ。」・・・したがって流行言葉が【カロウシ】なのだそうである。戦後、高度成長期だった頃の日本が今、中国にある。死に物狂い・・・まさに命懸けである。この勢い、この【死生観】なるもの~出張先での歴史に準えて頂かせれば、高杉晋作の師・吉田松陰が幕末の獄中処刑10日前、晋作宛に手紙を送ったその【教え】に通ずるものがある。(以下、引用)

「君は問う。男子の死ぬべき所はどこかと。小生も去年の冬投獄されて以来、そのことを考え続けてきたが、今ついに、死の一字について発見するところがあった。死は好むものではなく、また、憎むべきものでもない。世の中には、生きながら心の死んでいる者がいるかと思えば、その身は滅んでも魂の存する者もいる。死して不朽の見込みあらば、いつ死んでもよいし、生きて大業をなす見込みあらば、いつまでも生きたらよいのである。つまり小生の見るところでは、人間というものは生死を度外視して、何かを成し遂げる心構えこそ大切なのだ。」・・・晋作はこの松陰の【死生観(教え)】を守り、かの功山寺挙兵にて大業を成し遂げ、29年間という短い一生を貫いて生きたのである。辞世の句は・・・・
【おもしろきことなき世をおもしろく】・・・・・
己の余りの小ささに、例えようのない激情が燃ゆる。

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