【三和新聞】167号

2014-11-01
 第167号 自然と釣りバカ
writer:  彦坂訓克

2年ほど前から時間が取れれば、チョイチョイ釣りに出かけるようになり、今では結構ハマってしまっています。私にもようやく『趣味』と呼べるモノが出来たんです!。

釣バカ日誌30

私の住んでいるこの地域は、静岡県の御前崎から愛知県の伊良湖岬の遠州灘、愛知県の渥美半島と知多半島に挟まれている三河湾、静岡県の浜名湖と釣りを含め、海のレジャーをするには、とても良い環境となっています。“この広い海に向かって豪快に仕掛けを投げ込んで大物を狙う!”ってイメージですが、今のところもっぱら近くの堤防や海釣り公園などでのチョイ投げ釣りですが・・・。

派手さはないですが、普段仕事をしている環境とは全く違い、海風に当たり、波の音を聞き、遠くまで見渡せる風景。仕掛けを投げ込んで魚からの合図?を逃さないように竿先に神経を集中してみたり、時には何も考えずボケ~としていると気分もリフレッシュでき自然を満喫できてるな~と感じます。また釣り場の常連さん達とも顔見知りになれたり、プロのフィールドテスターさんともご一緒でき、いろいろアドバイスをもらったりで、どちらかというと今まで私生活では人間関係が少なかったのですが釣りを始めて少しずつですが、人間関係(釣り仲間?)が出来るようになってきました。のんびりした時の流れの中、同じ趣味を持った人と「あーでもない、こーでもない」くだらない話をしながら、お互いの釣果の小さな勝負心・・・。色々な釣りのスタイルは有りますが、“自然、仲間、勝負”これが楽しくてやめられなく“釣りバカ”と呼ばれるようになっていくのでしょう。

身内事で恐縮ですが、私の甥っ子が、高3の夏休みに仲間と堤防に釣りに自転車でいった時の事、自転車移動で体力を奪われたのかはわかりませんが、釣りを始めようとテトラポットの上に乗った矢先、熱中症?そのまま気を失って前向きに転落。仲間に助けられ救急車で搬送される事が有りました。倒れ方がたまたま良かったので大事には至りませんでしたが、腕・足のすり傷はもちろん、顔も少し切ってしまい数針縫っていました。連絡を受け、病院にいってみると「おじさん、エサ2,000円分も買ったのに、一投もできんかった。」・・・最初にそれか?まさに『釣りバカ』でした。それから数ヶ月後、今度は親父が頭に包帯して帰ってきたことが有りました。初めはなかなか理由を言おうとしませんでしたが、追求すると夜釣りに1人で出掛け、テトラポットから滑り落ちたそうです。(←またか。)どういう落ち方をしたのか覚えていないそうですが、自分で何とか這い上がり、道具を片付け、運転して夜間病院へ行ったそうです。自覚はなかったそうですが、頭を切っており、結構な出血だったそうです。病院では「よく1人で来たね・・・。」と言われたらしく家に着いて落ち着いたのか、頭より腰が痛いと言いだし、よほど強く打ったのでしょう、約1週間ほどの寝たきり生活を余儀なくおくる結果となりました。この程度で良かったですが、火事場の馬鹿力ではないですが、咄嗟(とっさ)の時って人間スゴい!と改めて実感しました。少し動けるようになると、親父は、竿の手入れをしていました・・・懲りない人だ。

2度有ることは3度有る?今度は自分がケガする番かもしれません。釣りに限らず、自分の不注意で事故や怪我に至ることや不意に起こる事もちろんですが、自然に対しても敏感になっておかないと大きな事故に繋がってしまいます。最近では、ゲリラ豪雨による一瞬で起きる部分的な水害、大雨続きが原因での土砂崩れ、何十年に一度?の規模の勢力の強い台風、火山の噴火など。各地で自然災害が多く発生して、被害に遭われた方々が、多数おられます。釣りに限らず、レジャーなどでは、そのときの天候や変化で事故(災害)に巻き込まれないようにできますが、自然が起こす事を、未然に防ぐことは人の力では難しいです。予想される災害は、最小限にするために予報・警報・避難勧告など精度が上がってきていますが、この間テレビで言っていましたが、ゲリラ豪雨が発生し始めた頃は、水害に対して敏感だったのが、あまりにも頻繁にゲリラ豪雨があちこちで発生しすぎて、“ゲリラ豪雨の発生=水害”に慣れが(慢性化)起きてしまっていると。

予報・警報などの精度が上がり災害を最小限にしていくのと反して、受け取り側に慣れが起こっているという・・・大きな話になってしまいましたが、甥や親父の釣りでの事故や怪我。共に初めて行った釣り場ではなく、いつも行っているところで慣れ(慢性化)が有ったのでしょうか?その日は特に暑い日だったかもしれません。少し前に小雨が降ったのかもしれません。真因はわかりませんが、自然が起こす事を防ぐ事は出来ません。釣りをしていると“昨日は良く釣れたが、今日は全く釣れない!”なんて事はしょっちゅう有ります。潮の変化などだと思いますが、こういった身近に感じられるちょっとした自然の変化や物事の変化などに慢性化することなく敏感に感じ取り、自然とうまく付き合い満喫し、仕事や私生活で起こる様々な変化に自分が対応出来るよう成長していければと思います。そして“自然、仲間、勝負”これを楽しむ“釣りバカ”になって行くのであろう!

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